「子ども食堂」全国で20%余増 幅広い世代の交流の場に

子どもたちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」は、全国でおよそ6000か所と、去年の調査と比べて20%余り増えたことがNPOの調査で分かりました。

NPOでは、子どもだけでなく幅広い世代の交流の場として広がっているとしています。

これは、NPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」が全国の自治体や社会福祉協議会、支援団体などを通じて調べました。

それによりますと、子どもたちに食事や居場所を提供する「子ども食堂」は今月15日の時点で、全国で6007か所で、去年12月の調査より1047か所、率にして21%増えたということです。

都道府県別にみると、東京都が747か所と最も多く、次いで大阪府が470か所、兵庫県が373か所などとなっていて、40の都道府県で数が増えています。

NPOによりますと、子ども食堂が発足した当初は、親が働いているために1人で食事をする子どもや食事が十分に取れない子どもなどが利用するケースが多かったということです。

その後、子どもだけでなく高齢者や学生など幅広い世代の交流の場として広がっていて、コロナ禍だからこそ、子ども食堂を始めたケースも多いということです。

NPOの湯浅誠理事長は「コロナ禍で人と人のつながりが薄れつつあると言われる中、こうした活動をさらに広げていきたい」と話していました。

感染拡大前の約1.6倍に「さまざまな年齢層の交流に必要」

「子ども食堂」の数は全国で増加していて、NPOの調査では、感染拡大前と比べ、ことしはおよそ1.6倍に増えています。

調査を行っているNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」によりますと、全国の子ども食堂の数は
▽2018年は2286か所
▽2019年は3718か所と
▽去年(2020年)は4960か所
▽ことし(2021年)は6007か所と
毎年1000か所以上増えています。

感染拡大前のおととしと比べ、ことしはおよそ1.6倍に増えています。

NPOでは「子ども食堂」について「子ども食堂・地域食堂・みんな食堂などの名称にかかわらず、子どもが1人でも来られる無料または定額の食堂」と定義しています。

当初は、親が働いているために1人で食事をする子どもや食事が十分に取れない子どもなどが利用するケースが多かったということです。

そのあと、高齢者や若者を幅広く受け入れ、地域のにぎわいや、まちづくりの一環として「子ども食堂」が開設されることが多くなっていきました。

NPOは「コロナ禍で、人とのつながりや絆がますます求められるようになっている。そうした人たちに安心感を与えられる場所として、子ども食堂の重要性は高まっていると思う。少子高齢化や過疎化、それに単身世帯の増加などがあり、地域のさまざまな年齢層が交流し、つながりを持つ場所が必要だ」としています。

目的に「多世代交流」「地域づくり・まちづくり」も

このNPOでは、子ども食堂を運営する代表者に、ことし10月から今月にかけてインターネットでアンケート調査を行い、1284人から回答がありました。

子ども食堂の主な目的について複数回答で聞いたところ
▽「子どもの食事提供」が89.1%
▽「子どもの居場所づくり」が83.6%
▽「ひとり親家庭の支援」が60.8%となったほか
▽「多世代交流」が57.8%
▽「地域づくり・まちづくり」が56.3%などとなっています。

また、子ども食堂を開始した時期は「2017年から2019年」が49.2%と半数となった一方で、「2020年以降」が24.5%と4分の1に上っていて、NPOではコロナ禍をきっかけに活動を始めたケースが多いとみています。

子ども食堂で食料配布 子どもの学習支援 東京 八王子

新型コロナウイルスの影響が続く中、東京 八王子市で食料の配布などを行う子ども食堂が26日、開かれ、多くの人が訪れました。

東京 八王子市にある「こすもす・だれでも食堂」は、子どもや高齢者など幅広い世代の人たちが気軽に集まり交流する場を作ろうと、地元の住民や大学生が5年前に始めた子ども食堂です。 
 
1か月に1度、事前に申し込みをした人に野菜やレトルト食品などの食料の配布を行っていて、26日も子育て中の母親や高齢者などが訪れて受け取っていました。

この子ども食堂では、感染の拡大を受けて多くの人が集まって食事をとることをやめていて、去年5月から食料の配布を始めました。

これをきっかけに、つながりがなかった高齢者や仕事を失った人などから連絡があり、現在はおよそ50世帯に食料の配布を行っていて、生活などの相談にも応じています。

また26日は、大学院生がボランティアで子どもに勉強を教える学習支援が行われたほか、家族連れなど昔ながらの遊びを楽しんで、集まった人たちと交流を深めていました。

この取り組みを支えたいという人が増えていて、運営に関わるボランティアの数は、感染拡大前のおととしのおよそ20人から、現在はおよそ30人に増加したということです。

3人の子どもを育てるシングルマザーの20代女性は「コロナ禍で人との関わりが少なくなって、ストレスもため込んでしまうので、こうした場所があると、とても助かります」と話していました。

子ども食堂の代表を務める大学院生の熊谷歩真さん(29)は「コロナ禍で『人とのつながりを大事にしたい』という人が増え、子ども食堂の活動に積極的に協力してくれるようになっているのではないかと思います。見えにくい生活の悩みやつらさを聞き受け入れてくれる場所が今、求められていて、子ども食堂はますます重要になるのではないかと感じています」と話していました。

外国人も参加 子ども食堂でクリスマスパーティー 愛知 瀬戸

愛知県瀬戸市の、外国人が多く暮らす団地にある子ども食堂では26日、クリスマスパーティーが開かれ、子どもから大人までが交流を深めました。

瀬戸市にある子ども食堂は、5年前に独りで食事をする子どもを減らそうと活動を始めました。

南米からの外国人などが多く住んでいて、スタッフにペルー人もいることから、26日のクリスマスパーティには、日本人や外国人の親子合わせて30人余りが集まりました。

パーティーでは、風船をお尻で早く割るゲームや、いす取りゲームも行われ、南米のクリスマスソングが流されるなど、子どもも大人も楽しんで交流を深めていました。

ゲームのあとには、シロップが入った甘いスポンジが特徴のペルーのクリスマスケーキがふるまわれ、子どもたちはおいしそうに食べていました。

小学校4年の児童は「知らない子もいたけど一緒に遊べて楽しかった。来年もここで一緒に遊んだりして楽しく過ごしたい」と話していました。

子ども食堂を運営するNPO「さるなかとんなtoto」の服部悦子代表は「外国人だから支援をしてきたのではなく、同じ地域に住んでいるので一緒にできることを行ってきた。来年は子ども食堂を拠点に、いろいろなことを一緒に行っていきたい」と話していました。

支援する動きは企業の間でも

子ども食堂を支援する動きは企業の間でも広がっています。

今回、調査を行ったNPOでは、子ども食堂への支援を呼びかけていて、去年1年間に企業から寄付された現金と食料は金額にして合わせておよそ3億9000万円に上りました。

おととしは、およそ4000万円で10倍近くに増え、全国の子ども食堂に届けられたということです。