抗体カクテル療法 オミクロン株に効果期待できず 投与推奨せず

新型コロナウイルスの軽症患者などを対象にした抗体カクテル療法について、厚生労働省は新たな変異ウイルスの「オミクロン株」には効果を期待できない可能性があるとして、投与を推奨しないことを決めました。

2種類の抗体を同時に投与する抗体カクテル療法の「ロナプリーブ」は、ことし7月、新型コロナウイルスの軽症患者などを対象に承認されました。

厚生労働省によりますと、先月までに推定でおよそ3万7000人が投与を受けていますが、製薬会社がオミクロン株に対する効果を調べたところ、ウイルスの増殖を抑える能力を示す「中和活性」がこれまでの変異ウイルスなどに比べて少なくとも1000分の1に低下したということです。

このためオミクロン株に感染している患者には効果を期待できない可能性があるとして、投与を推奨しないことを決めました。

近く全国の医療機関に通知することにしています。

一方、同様に抗体を投与する「ソトロビマブ」では、オミクロン株への効果が維持されているということです。

厚生労働省は、今後、医療機関が、新しい変異ウイルスに感染した患者に抗体を投与する薬を使用する場合は効果を検証したうえで報告するよう求めることにしています。