サンタがコロナで収入減の家庭へ 絵本をプレゼント

クリスマスイブの24日夜、収入の減少など経済的に苦しい家庭の子どもたちにサンタクロースがプレゼントの絵本などを届ける取り組みが全国各地で行われました。

これは東京のNPO法人が行ったもので、取り組みに賛同した人が書店で購入した絵本や児童書をサンタクロースに託し、経済的に苦しい家庭の子どもたちに届けます。

ことしもクリスマスイブの24日夜、全国各地で行われ、千葉県内の母親と3人の子どもが暮らす家庭にもサンタクロースが訪れると子どもたちは「サンタさんだ」と喜びました。

サンタクロースは一人一人にプレゼントの絵本などを手渡して「お姉ちゃんはお風呂掃除を頑張っているね」「きょうだい仲よしでお母さんが喜んでいるよ」などと声をかけていました。

母親は観光業でパート従業員として働いていますが、新型コロナウイルスの影響で収入は感染拡大前の7割ほどに落ち込んでいて、今回、申し込んだということです。

11歳の女の子は「サンタさんにほめられたことをこれからも頑張りたいです」と話していました。

母親は「収入が減ってしまい節約の毎日で家族で外出する機会も少なくなっていました。きょうは子どもたちにとっても自分にとっても心に残る思い出になりました」と話していました。

NPOによりますと、ことしはコロナの感染拡大前のおととしと比べるとおよそ5倍の2100件余りの申し込みがあったということです。

NPO「チャリティーサンタ」の清輔夏輝代表理事は「『子どもにプレゼントを用意できずクリスマスなんて来ないでほしい』といった切実な声も届いている。子どもたちに喜んでもらうことで支えになりたい」と話しています。

収入状況で子どもの経験に差

このNPOでは、クリスマスプレゼントや家族旅行などについて、新型コロナウイルスの影響で収入が減るなど支援を申し込んだ子育て世帯2118世帯と寄付を行った子育て世帯876世帯にそれぞれアンケート調査を行いました。

この中では、去年のクリスマスに子どもにプレゼントを贈ったかどうか聞きました。

寄付を行った子育て世帯では、83%が「プレゼントを贈った」と回答しました。

一方、支援を申し込んだ子育て世帯ではプレゼントを贈ったと回答したのは45%でした。

また「この1年間で家族旅行に行った」と回答したのは、寄付を行った世帯では51%でしたが、支援を申し込んだ世帯では5%にとどまりました。

NPO「チャリティーサンタ」の清輔夏輝代表理事は、「世帯の収入状況によって、子どもの経験に格差が出ていて、コロナ禍でさらに広がっていると感じている。ふがいないと感じている親も多く、自分たちの活動によって、その差を少しでもなくすことができたらと思う。クリスマスだけでなく、子どもの誕生日などでもサポートできればと考えている」と話していました。