高齢者施設入所者のワクチン3回目接種 都内14区で前倒し

オミクロン株の市中感染とみられるケースが相次ぎ、政府は高齢者などへの3回目のワクチン接種を急ぐことにしています。こうした中、東京23区のうち14の区では、高齢者施設の入所者への接種を当初の予定から前倒しして、すでに始めているか、年内には始める予定としています。

3回目のワクチン接種をめぐり、政府は2回目との間隔を原則8か月から6か月に短縮する対象を、医療従事者に加えて、重症化リスクの高い高齢者施設の入所者や利用者、それに施設の従業員などに広げる方針を示しています。

これを受けて、どのように接種を進めるかについて、NHKが23日の段階で東京23区に聞いたところ、17の区が前倒しなどのスケジュールをすでに決めたほか、残る6つの区でも前倒しを検討していると回答しました。

そして、当初の予定を前倒しして高齢者施設の入所者への3回目の接種をすでに始めているか、年内に始める予定という自治体は14あり、前倒しは、目黒区、世田谷区、江戸川区では当初の予定より最大2か月程度、ほかの自治体でも1か月程度となっています。

一方で、接種の前倒しについて国への要望を聞いたところ、「ワクチン不足に陥らないよう調整してほしい」「安定的で確実な供給をお願いしたい」といった声が多く聞かれたほか、「国からの情報が遅い」とか「国の方針が二転三転して現場の混乱を招いている」といった厳しい指摘もありました。