新型コロナ 全国の感染者 少ない水準も3週連続で増加傾向に

新型コロナウイルスの新規感染者数を1週間平均で比較すると、全国の感染者数は少ない水準ではあるものの、3週連続で前の週より多くなっていて、下げ止まりから増加傾向となっています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について、前の週と比較してまとめました。

全国では下げ止まりから増加の傾向

全国では、先月25日までの1週間は前の週に比べて0.67倍と8月末から13週連続で減少していましたが、今月2日は0.99倍、今月9日は1.10倍、今月16日は1.12倍、23日まででは1.45倍と、下げ止まりから増加の傾向となっています。

また、1日当たりの新規感染者数は、およそ184人と低い水準が続いています。

1都3県では

東京都は、今月9日までの1週間は前の週に比べて1.11倍、今月16日は1.26倍、23日まででは1.40倍と、感染者数は少ないものの、増加傾向にあります。

1日当たりの新規感染者数はおよそ30人、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は1.49人となっています。

神奈川県は、今月9日までの1週間は前の週に比べて1.04倍、今月16日は1.47倍、23日まででは1.39倍と増加傾向となっていて、1日当たりの新規感染者数は、およそ22人となっています。

埼玉県は、今月9日までの1週間は前の週に比べて1.04倍、今月16日は0.84倍、23日まででは1.04倍で、1日当たりの新規感染者数は、およそ7人となっています。

千葉県は、今月9日までの1週間は前の週の1.28倍、今月16日は1.38倍、23日まででは1.04倍で、1日当たりの新規感染者数は、およそ8人となっています。

関西

大阪府は、今月9日までの1週間は前の週の0.90倍、今月16日は0.88倍と横ばいの状態が続いていましたが、23日まででは1.68倍で、1日当たりの新規感染者数は、およそ18人となっています。

京都府は、今月9日までの1週間は前の週の2.25倍、今月16日は2.00倍、23日まででは2.44倍で、1日当たりの新規感染者数は、およそ6人となっています。

兵庫県は、今月9日での1週間は前の週の1.32倍、今月16日は0.76倍、23日まででは1.61倍で、1日当たりの新規感染者数は、およそ6人となっています。

沖縄県・北海道

沖縄県は、先月中旬までは13週連続で減少していましたが、今月9日までの1週間は前の週の1.77倍、今月16日は1.30倍、23日まででは1.80倍と増加傾向で、1日当たりの新規感染者数はおよそ8人となっています。

北海道は、今月9日までの1週間は前の週の0.53倍と3週連続で減少していましたが、今月16日は1.10倍、23日まででは3.32倍と増加傾向で、1日当たりの新規感染者数は、およそ16人となっています。

中部

愛知県は、今月9日までの1週間は前の週の1.00倍、今月16日は1.02倍、23日まででは0.70倍で、1日当たりの新規感染者数は、およそ4人となっています。

専門家 年末年始から2月にかけ 感染拡大のおそれも

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は、現在の感染状況について「ゆっくりだが、確実に増加傾向が見られてきている状況だ。この年末年始にかけては、人出がさらに増え、ワクチンの効果が減っている。さらにオミクロン株が入ってくるかもしれないという、感染を増加させる要因が重なってきているので、この年末年始、そして1月半ばから2月にかけて、さらに感染が増える傾向が出ることに注意しておかないといけない」と話しています。

また、市中感染が確認されたオミクロン株については「いまはまだ、市中感染が点として見えている状況だが、油断すると点が線となり、面となって広がってしまう。この年末年始は、オミクロン株が広がりつつあるという状況をしっかりと認識して、一人ひとりが感染対策を徹底することが重要になる。イギリスなどから病原性が少し低下しているのではないかという報告も出ているが、感染力が非常に高いことを考えると、感染者数が急激に増加したときには、一定の割合で重症者が出る。自宅療養の人も増えるので、受入れ体制や重症化した場合に速やかに入院できる仕組みを整えることが大事だ」と話しています。

さらに、年末年始の帰省について「体調が悪い人は帰省しないことが大事だ。ワクチンを打っていても、ブレイクスルー感染が起きる可能性があるため、帰省の際は、認証された簡易の抗原検査で、たとえば3日に1回など、繰り返し陰性を確認することも重要だ」と述べ、ワクチンに加え、検査を生かして感染リスクを下げることが重要だという認識を示しました。