オミクロン株 相次ぐ“市中感染” 政府 3回目接種など対応急ぐ

オミクロン株の市中感染とみられるケースが相次いでいることから、政府は、感染拡大が懸念される地域で希望する人は無症状でも無料で検査を受けられるようにしました。
年末年始は感染が拡大しやすい時期になるとして警戒を強めていて、3回目のワクチン接種や病床の確保など対応を急ぐことにしています。

新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」をめぐっては、23日も大阪や京都で市中感染とみられる感染者が相次いで確認されたほか、沖縄ではアメリカ軍キャンプハンセンに勤める日本人の従業員など4人の感染確認が発表されました。

岸田総理大臣は「大阪と京都、沖縄では不安が広がっている。不安のある人すべてに無料検査を実施できるようにする」と述べました。

政府は、感染拡大が懸念される地域で希望する人は無症状でも無料で検査を受けられるように全国の自治体に通知し、早いところでは24日から始まることになっています。

また、アメリカの製薬大手メルクが開発した飲み薬が24日承認される見通しとなっていることから、政府は承認されしだい全国に20万回分の配送を始め、来週から使用できるようにする方針です。
一方、政府の分科会の尾身茂会長は「オミクロン株は複数の場所で感染が起きていることはほぼ間違いない。年末年始の時期になることを考えれば、感染者数が増えてくるのを止めるのは難しい」と述べました。

そして、今のところ面的な広がりは考えにくいとしながらも、感染が拡大すると「短期間で多数の患者が出て医療がひっ迫する可能性がある」として、年末年始の帰省や旅行などは慎重に検討するよう呼びかける談話を出しました。

政府は、年末年始に感染が急拡大して医療提供体制がひっ迫することは避けたいと警戒を強めていて、高齢者などへの3回目のワクチン接種や病床の確保など対応を急ぐことにしています。