首都圏1都3県 オミクロン対応 国に感染状況に応じた判断求める

首都圏の1都3県は、オミクロン株の感染者が入院・退院する際の対応について、国が示す個室での隔離を原則とするなどとした考え方では感染が拡大した場合に病床のひっ迫を招くおそれがあるとして、感染状況に応じて判断するよう求めました。

東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県の知事は23日、オンラインで会議を開いてオミクロン株への対応について協議しました。

これまで国は、
▽オミクロン株の感染者の入院は、個室での隔離を原則とすることや、
▽退院は、症状の回復後、2回の陰性の確認を基準とするなどとした考え方を示しています。

会議では、こうした対応では感染が拡大した場合に病床のひっ迫を招くおそれがあるとして、国に対し感染状況に応じて判断するとともに、感染拡大した際の考え方を明確にするよう求めることで一致しました。

また、国が濃厚接触者に対し、宿泊施設に入るよう要請していることについて、保健所に過度の負担が生じないよう、必要な対策を講じるよう求めました。

このほか、会議では、都民や県民に向けた共同メッセージが出され、年末年始の感染拡大を抑え込むため、
▽外出は混雑する時間や場所を避け、
▽感染防止のルールを守っている飲食店を利用するなど、
基本的な対策をさらに徹底するよう呼びかけました。

千葉県 オミクロン株初確認 成田到着の濃厚接触者

千葉県の熊谷知事はテレビ会議で、新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」への感染者が成田空港に到着した濃厚接触者の中から県内で初めて確認されたことを明らかにしました。

千葉県内で初めてオミクロン株への感染が確認されたのは、県外に住む30代の女性です。

この女性は今月15日にアフリカのチュニジアから成田空港に到着し、同じ飛行機のなかにオミクロン株に感染した疑いのある陽性者がいたため、17日に濃厚接触者として県内の宿泊施設に入り、健康観察が行われていました。

翌18日には、のどや頭の痛みがあったため県内の医療機関に入院し、ゲノム解析の結果、23日にオミクロン株への感染が確認されたということです。

女性は現在、発熱などの症状がありますが、軽症だということです。

入国後、ホテルでの自主隔離を経て宿泊施設に入所していることから、千葉県は、この女性からの感染の広がりはないとみていて、感染経路が特定されているため、市中感染ではないと考えられるとしています。

熊谷知事は「国内では市中感染も確認されていて予断を許さない状況だ。次の感染拡大を見据えて、速やかに診療・検査体制、入院体制および保健所体制を維持・確保していく」とコメントしています。

埼玉県 大野知事 “感染落ち着いている今こそ備えを”

埼玉県の大野知事はテレビ会議の中で「県内では10月下旬から新規の感染者数がおおむね1桁となっているが、おととい県内でもオミクロン株の感染者が確認されるなど、市中感染は避けられないと認識している。感染が比較的落ち着いている今だからこそ、オミクロン株の脅威に備えていくべきだ」と述べました。

その後、記者団の取材に応じた大野知事は「オミクロン株の濃厚接触者が数多く出ていて、今は宿泊療養施設に入ってもらっているが、さらに増加すれば、それも困難になる。また、国からはオミクロン株の感染者は個室での管理が原則と言われているが、対応できる医療機関は限られていて医療がひっ迫する可能性があるため、しっかりとした基準を示してほしい」と話していました。