メルクのコロナ飲み薬 欧州で対応分かれる 厚労省あす承認審査

厚生労働省が24日に承認審査を行う、アメリカの製薬大手メルクが開発した新型コロナウイルスの飲み薬について、イギリスは感染者の急増に対応するため追加の契約を決めた一方、フランスは臨床試験で当初期待していたほどの効果はなかったとして発注をキャンセルするなど、対応が分かれています。

アメリカの製薬大手メルクによりますと、飲み薬「モルヌピラビル」をめぐって、臨床試験では入院や死亡のリスクをおよそ30%低下させる効果がみられ、これまで30以上の国と契約を結んだということです。

一日の新たな感染者が10万人を超えるなど感染が急拡大するイギリスは、22日、ファイザーが開発した飲み薬に加え、メルクの「モルヌピラビル」も追加で175万回分購入する契約を結んだことを明らかにしました。

一方、フランスは、22日、メルクの臨床試験の結果が当初期待していたほどではなかったとして発注をキャンセルし、代わりにファイザーの飲み薬を調達する方針を明らかにするなど、ヨーロッパでは対応が分かれています。

EUの医薬品規制当局、EMA=ヨーロッパ医薬品庁は先月、緊急時などには使用できると発表しましたが、承認に向けては現在、審査を進めています。