WHO事務局長“世界全体ではワクチン供給に遅れ 公平な分配を”

WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は、先進国などで新型コロナのワクチンの追加接種が進む一方、世界全体ではワクチンの供給が遅れていると指摘し、公平な分配に向けて各国に協力を呼びかけました。

WHOのテドロス事務局長は22日会見を開き、先進国などで追加接種が進む一方、世界全体ではワクチンの供給が遅れ、年内に接種率が40%に達する国は世界の半数にとどまるという見通しを述べました。

また、現在使われているワクチンの20%は追加接種に充てられると指摘し「入院したり死亡したりしている人の多くはワクチンを接種していない人だ」と述べ、1回目の接種が遅れている現状に危機感を示しました。

そのうえで「すでに接種率が高い国にワクチンを供給し続けることでパンデミックを長引かせる可能性がある」として、先進国などですべての成人を対象とした大規模な追加接種が行われていることに懸念を示しました。

テドロス事務局長は「来年こそパンデミックを終わらせ、新たな連帯の時代の始まりにしなければならない」と述べ、ワクチンの公平な分配に向けて、各国に協力を呼びかけました。