生乳 かつてない規模で余るおそれ 企業に牛乳消費後押しの動き

牛乳などの原料となる生乳が、かつてない規模で余り、大量に廃棄される懸念が出ていることを受けて、大手の小売りや食品メーカーの間で、値引きや商品開発などで消費を後押ししようという動きが広がっています。

牛乳や乳製品の原料となる生乳は、新型コロナウイルスの影響でホテルや土産物向けなどの需要が減少していることに加えて、冬休みに入り学校給食での消費もなくなっていることから、かつてない規模で余り、この年末年始に大量に廃棄される懸念が出ています。

こうした中、食品宅配大手の「オイシックス・ラ・大地」は、北海道や三重県で製造された牛乳を、12月23日から1月13日までの間、通常より10%から20%値引きして販売します。

担当者の神田聡美さんは「牛乳を割り引きすることで、少しでも消費へとつなげたい。商品を購入することが生産者の支援につながることを知ってほしいです」と話しています。

また、大手スーパーの「イトーヨーカドー」は、12月25日から10日間、牛乳と、牛乳を使う即席デザートの素をセットで購入する場合、30円値引きするほか、大手コンビニの「ローソン」は、大みそかと元日の2日間、ホットミルクを通常の半額の65円に値下げします。

このほか、大手食品メーカーの「明治」も、国産の生乳で作ったチーズの商品を12月13日から期間限定で投入するなど、消費を後押ししようという動きが広がっています。