アフガン緊急人道支援へ期待 国連安保理“制裁の対象外”決議

アフガニスタンのイスラム主義勢力タリバンに制裁を科している、国連の安全保障理事会は、人道支援を目的とする現地への資金提供は、制裁決議の違反にはあたらないとする決議案を全会一致で採択しました。現地で緊急の人道支援活動が可能になることが期待されています。

アフガニスタンでは、ことし8月、タリバンが再び権力を握って以降、海外にある資産が凍結されたことなどから経済が混乱し、多くの国民が食料不足に陥るなど、人道状況が悪化しています。

一方、国連安保理は過去の決議で、タリバンの幹部などに制裁を科し、NGOなどによる現地への資金提供が制裁決議の違反にあたる可能性が指摘されていました。

こうした中、国連安保理は22日の会合で、人道支援を目的とする資金提供や支援活動に必要な商品やサービスの提供などは、タリバンに関連する制裁決議に違反しないと定めた新たな決議案を全会一致で採択しました。

決議案では、提供された資金などが支援を必要としている人たちに届いているか、国連が調べて、半年ごとに安保理に報告し、1年後には実施状況を見直すとしています。

国連で人道問題を担当するグリフィス事務次長は、声明で「今回の決定で、アフガニスタン国民の命と生活を救う緊急の人道支援活動が可能になる」と期待を示しました。

タリバン「国連の対応を歓迎」

決議案の採択について、イスラム主義勢力タリバンの報道担当のビラール・カリミ氏はNHKの取材に対し「国連の対応を歓迎する。アフガニスタンでは戦争が長引き、干ばつに人々が苦しめられてきた。こうした状況の中、人々への支援の基礎が築かれたことは称賛に値するステップで、感謝している」と述べました。

そして「今後、資金の提供が広がれば、アフガニスタンの人々が抱える経済的な問題が解決することになる」と期待を示しました。