政府調達の布マスク 保管倉庫を公開 在庫は年度内めどに廃棄へ

新型コロナウイルス対策で政府が調達した布マスクが配布されないままになっている問題で、厚生労働省は22日、今も8000万枚余りが保管されている倉庫を報道陣に公開しました。
年度内に配布先が見つからないマスクはすべて廃棄されることになります。

政府は去年、およそ2億8700万枚の布マスクを民間業者から調達しましたが、ことし3月末時点で8272万枚が配布されずに倉庫に保管され、ことし3月までの8か月間の保管費用はおよそ6億円に上ることが会計検査院の調査で分かりました。

厚生労働省は、布マスクを保管している倉庫を22日報道陣に公開しました。

倉庫には布マスクが入ったおよそ10万箱の段ボールが山積みにされています。

厚生労働省は、希望する介護施設や保育所などに配布を進めていますが、今もおよそ8130万枚、113億円相当が残ったままだということです。

岸田総理大臣は21日、布マスクの在庫について、希望者に配布し有効活用を図ったうえで、年度内をめどに廃棄する意向を明らかにしています。

厚生労働省によりますと、希望する施設への配布は1か月当たり平均でおよそ20万枚にとどまっているということで、年度内に配布先が見つからないマスクはすべて廃棄されることになります。

厚生労働省は「この事業について反省すべき点はあったと思う。1枚でも多く有効活用できるよう最後まで取り組みたい」としています。