原発処理水放出 “審査結果 今年度中に” 規制委 更田委員長

福島第一原子力発電所でたまり続けるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水の海への放出について、原子力規制委員会の更田豊志委員長は、東京電力が申請した実施計画の審査の結果を今年度中に取りまとめたいという考えを示しました。

福島第一原発にたまり続ける処理水について東京電力は、再来年春ごろから基準以下の濃度に薄めて海へ流すとする国の方針に沿った実施計画を21日原子力規制委員会に申請しました。

22日開かれた規制委員会の定例会合では今後の審査の方針を議論し、主な論点として、処理水を海水で薄める設備の性能や自然災害への対策のほか、異常が発生した際に放出を止める機能などを確認していくことになりました。

会合のあとの会見で、規制委員会の更田豊志委員長は「今回の設備で大事なのはしっかり濃度を確認して希釈ができることで、大きな論点が浮上すると思えず、審査にそれほど長期間を要するものではない」と述べ、審査の結果を今年度中に取りまとめ、一般からの意見の募集を行いたいという考えを示しました。

東京電力は、規制委員会の認可が得られれば本格的な工事に着手したい考えですが、処理水の放出をめぐっては風評被害を懸念する声が地元を中心に根強く、関係者の理解をどう得るかが引き続き課題となっています。

中国は強く非難

処理水をめぐり東京電力が海への放出に向けた実施計画を申請したことについて、中国政府は、国際社会の懸念を考慮していないなどと強く非難したうえで、改めて撤回を求めました。

福島第一原発にたまり続ける処理水について、東京電力は、再来年春ごろから基準以下の濃度に薄めて海へ流すとする国の方針に沿った実施計画を21日、原子力規制委員会に申請しました。

これについて、中国外務省の趙立堅報道官は、22日の記者会見で「日本は、国際社会の正当で、理にかなった懸念に耳を傾けないどころか、海への排出に向けた準備を次々と進めてきた。極めて無責任だ」と述べ、強く非難しました。

そして処理水をめぐる海への放出に向けた実施計画について「世界的な海洋の生態環境や人々の健康に関わるもので、日本だけの問題ではない。日本は、周辺国を含む国際社会の懸念に真摯に応え、間違った決定を撤回すべきだ」と述べたうえで関係する国々や国際機関と十分に協議して合意に達しないかぎり、海への放出をしないよう改めて撤回を求めました。