「オミクロン株」106の国と地域で確認 欧州各国で新たな対策

新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株が確認された国と地域の数は、100を超え、感染が拡大しているヨーロッパでは各国が新たな対策に乗り出しています。

WHO=世界保健機関は21日、オミクロン株の感染者が106の国と地域で確認されたと発表し、「デルタ株よりも速く感染が拡大している」と警戒を呼びかけました。

感染が拡大しているヨーロッパでは各国が相次いで、新たな対策に乗り出しています。

このうちポルトガルは、25日から来月上旬にかけて、在宅での勤務を義務づけるほか、バーやナイトクラブの営業を停止する措置を取りました。

コスタ首相は、21日の会見で「もはや通常のクリスマスを過ごすことはできない。対策をとらなければ年明けに状況はさらに悪化する」と述べました。

またスペインでは、カタルーニャ州政府が、感染拡大を受けて、深夜の外出を制限するほか、会合の参加者を10人以下とするなどの新たな対策を取る方針を示しました。

さらに北欧のスウェーデンも23日以降、在宅勤務を要請するほか、文化施設などで人数制限を導入するなどの措置を取るとしています。

ヨーロッパでは、ドイツやフランスでも新たな対策が打ち出され、人の移動が増える年末年始を控えオミクロン株への警戒が一層強まっています。

アジアでも感染対策強化の動き

オミクロン株は、アジアでも感染者が確認され、感染対策を強化する動きが出ています。

このうちインドネシアでは12月16日、オミクロン株の感染者が初めて確認され、人の動きが増える年末年始に向けて、政府は24日から対策を強化します。

具体的には1月2日まで、公務員の有給休暇の取得や、州をまたぐ移動を禁止するほか、スポーツの試合やコンサートなどのイベントは無観客とすることを義務づけます。

また例年、多くの人々が街頭などに集う12月31日と1月1日は、国内のすべての広場を閉鎖し、新年を祝うパレードも禁止するということです。

またシンガポールは、アメリカやイギリス、それに隣国マレーシアなどおよそ20か国からワクチン接種を完了した旅行者を隔離なしで受け入れる制度を設けていましたが、こうした旅行者に対する航空便やバスのチケットの販売を23日から1月20日まで停止することを決めました。

このほか、オミクロン株の感染者が200人以上確認されているインドでは21日、国が州政府に対して対策の強化を指示し、1週間の検査の陽性率が10%を超えるか、酸素吸入器が備わった病床の使用率が40%を超えた地区では、夜間の外出禁止や大規模な集会の規制といった措置を取るよう求めています。