バイデン政権 オミクロン株拡大で新対策 検査キット配布増など

アメリカでクリスマス休暇を前に変異ウイルスのオミクロン株の感染が急速に拡大する中、バイデン大統領は、家庭で使える検査キットの無料配布を増やすなど、感染拡大の防止に向けた新たな対策を打ち出しました。

アメリカでは新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向となっていて、CDC=疾病対策センターは、今月18日までの1週間に感染した人の4分の3近くが変異ウイルスのオミクロン株によるものと推定されると発表しています。

バイデン大統領は21日、ホワイトハウスで演説し、オミクロン株が拡大していることについて「もしワクチン接種を完了していなければ重症化するリスクが高く、心配する必要がある。接種していればクリスマスや休暇を気持ちよく祝うことができるだろう」と述べ、ワクチンを接種するよう強く呼びかけました。

そして、新たな対策として▽家庭で使用できる検査キットの無料配布を増やすため、新たに5億回分を購入し、来月以降、インターネットのサイトで申し込みを受け付けるほか、▽移動式のワクチン接種の会場を増設したり、▽体制がひっ迫している病院に新たに軍の医師や看護師ら1000人を派遣したりすると発表しました。

アメリカではクリスマス休暇や年末年始で人の往来が増えると見られていて、旅行する予定の人は前の年と比べて3割以上増えるという業界団体の予測も出ています。

バイデン政権は厳しい外出制限は行わず、ワクチン接種や検査の機会を増やすことで感染拡大を抑え込みたい方針です。