千島・日本海溝での巨大地震と津波の被害想定 国は支援策検討

北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」での巨大地震と津波の被害想定が公表され、最悪の場合、死者は日本海溝の地震で19万人を超えるとされたほか経済的な被害も全国に波及するとされました。

国は、被害を軽減するための方策や自治体への支援策について検討する方針です。

「千島海溝」沿いと「日本海溝」の北側にあたる地域の地震と津波の被害について、国は21日想定を公表し最悪の場合、死者は千島海溝で10万人、日本海溝では19万9000人に上るとしました。

経済的な被害については、建物やライフラインなどの復旧に加え生産拠点が被災することによるサプライチェーンへの影響など、間接的な被害も合わせると「千島海溝」で16兆7000億円「日本海溝」で31兆3000億円と推計されました。

復旧が遅れれば北海道などからの農産物の供給が止まるおそれもあり、被災地以外でも物資の不足や価格の高騰が続く可能性があるとされています。

一方、想定では、迅速な避難のほか、避難タワーの建設など避難先の確保を進めることで犠牲者をおよそ80%減らすことができるとしていますが、北海道などでは財政面などを理由に避難施設の整備がなかなか進んでいません。

南海トラフの巨大地震で大きな津波被害が想定される地域では、国が避難施設を整備する費用などの補助率を引き上げていて、千島海溝や日本海溝で大きな被害が想定される自治体の中には同様の支援を求めているところもあります。

このため国は被害を軽減するための方策や自治体への支援策についても検討する方針です。

専門家「市町村も人員や財源の不足からジレンマ」

被害想定の取りまとめを行った国のワーキンググループで主査を務めている、関西大学の河田惠昭特別任命教授は「災害は直後から市町村が対応することになっているがどの市町村も人員や財源の不足からジレンマを抱えていると思う。また、避難施設の建設などの公共事業は完成までに時間がかかるなどすぐには効果を発揮しないので自助や共助の取り組みも重要になってくる。住民が、被害想定の知識を家族や職場の同僚、学校の友達などと共有し、どう対応したらいいか相談することも大事だ。被害想定の数字は大変大きく、とても心配になると思うが、しっかり準備をすれば相応の効果は出るので、冷静に判断していただきたい」と話していました。