米バイデン政権 “ロックダウン実施の予定なし”

アメリカで変異ウイルスのオミクロン株の感染が拡大する中、バイデン政権は、現時点では経済活動などを厳しく制限するいわゆる「ロックダウン」はせず、引き続きワクチンの接種を進めることなどで感染拡大を抑えていきたいという考えを示しました。

アメリカでは、変異ウイルスのオミクロン株の感染が拡大し、CDC=疾病対策センターによりますと、1日に報告される感染者数の平均は19日の時点で13万2000人余りと、増え続けています。

こうした中、ホワイトハウスのサキ報道官は20日、記者会見で、人の移動や経済活動を厳しく制限するいわゆる「ロックダウン」について「実施する予定はない」と明らかにしました。

その理由について「2億人の国民がすでにワクチンを接種していて1年前とは全く異なる状況にあるためだ」と述べ、国民の60%以上がワクチン接種を完了していることを挙げました。

アメリカではクリスマス休暇で人の往来が増えることが予想されていますが、バイデン政権としては引き続きワクチンの追加接種を進めていくことや、ウイルス検査を受けやすくするよう対策をとることなどで感染拡大を抑えていきたいとしています。

ヨーロッパでは、感染拡大を受けて経済活動を制限する国も出ていますが、バイデン政権は現時点で経済活動を厳しく制限することには慎重な姿勢を示しました。

NY市長 “ロックダウンは避けたい”

アメリカ ニューヨーク市でも1日に確認される新型コロナの感染者の数が連日1万人を超え、危機感が強まっていますが、デブラシオ市長は人の移動や経済活動を厳しく制限するいわゆる「ロックダウン」は避けたいとする考えを示しました。

20日、会見を開いたデブラシオ市長は、ウイルスの検査所を今週中に20か所ほど増やして合わせて110か所以上にすることや、自宅などで検査できる簡易キットを希望する人に無料で配ることなどの対策を明らかにしました。

そのうえで「ロックダウンも規制も避けなければならない。より多くの人がワクチンを接種することでそれはできる」と述べ、ワクチンの接種やウイルスの検査を進めることでいわゆる「ロックダウン」は避けたいとする考えを示しました。