前澤友作さん 地球に帰還 ISSでの12日間の宇宙旅行終える

日本の民間人としては初めて国際宇宙ステーションに滞在する宇宙旅行をしていた実業家の前澤友作さんなど日本の民間人2人が乗ったロシアの宇宙船は、日本時間の20日正午すぎに地球に戻りました。

実業家の前澤友作さんと関連会社の役員を務める平野陽三さんの2人は日本の民間人として初めて国際宇宙ステーションに滞在する宇宙旅行を行い、地球に戻るためロシア人宇宙飛行士とともにロシアの宇宙船「ソユーズ」に乗り込んで日本時間の20日午前9時前に宇宙ステーションを離れました。

そして日本時間の20日正午すぎにカザフスタンの平原に着陸し、地球に戻りました。

前澤さんと平野さんは宇宙船から出ると笑顔で手をふりながら現地のスタッフに支えられて移動用の車両に乗り込んでいました。

今回の宇宙旅行は12日間で、宇宙に行った日本人は合わせて14人になりました。

宇宙旅行時代の幕開け

ことしは宇宙旅行時代の幕開けとなる年と呼ばれ、ことし宇宙に打ち上げられた民間人は前澤さんたちも含めて世界で29人になりました。

それに対して国の宇宙飛行士は19人で人数では民間人が上回っています。

背景には民間企業の有人宇宙船が次々とつくられていることがあり、来年以降も民間人による宇宙飛行が計画されています。

アメリカの企業「アクシオム・スペース」は来年以降合わせて4回の宇宙旅行を計画していて、民間人を国際宇宙ステーションに送る予定です。

またロシアの企業も再来年、2人の民間人を国際宇宙ステーションに送り、このうち1人が船外活動を行うと発表しています。

さらに再来年にはアメリカの「スペースX」が開発中の有人宇宙船で前澤さんなど9人の民間人を乗せて月を周回する宇宙旅行を行う計画を公表しています。

「どんな『気付き』を持って地球に戻るかが重要」

民放のテレビ局の社員だった時に日本人として初めて宇宙飛行を行った秋山豊寛さんは、前澤さんらが宇宙旅行を終えたことについて宇宙での体験を帰還後の行動につなげることが重要だと語っています。

秋山さんは民放のテレビ局の社員だった31年前、現在のロシアの宇宙船に搭乗し日本人では初めて宇宙飛行を行いました。

秋山さんは当時の宇宙飛行を「宇宙から見る地球は本当にきれいだった。星空や宇宙の闇などの自然からメッセージを感じ地球に戻ったあと、どう生きていくべきかを考えさせられた」と振り返り、その体験をもとに地球環境に配慮した暮らし方を実践したいと現在、三重県で農業を営んでいます。

今回、民間人である前澤さんが宇宙旅行を終えたことについて1人当たり数十億円とされる費用を負担していることを踏まえ、単なる観光旅行であれば格差社会の象徴と見られかねないと指摘したうえで「宇宙に行くという経験の中からどんな『気付き』を持って地球に戻るかが重要だ。地球に戻ったあとは『気付き』にもとづく活動をしてほしい」と述べ、宇宙に行くだけでなく宇宙での体験を帰還後の行動につなげることが重要だと語っています。