大阪 ビル放火事件 11月下旬にガソリン購入 事前に準備か

大阪 北区のビルに入るクリニックが放火され、24人が死亡した事件で、61歳の容疑者が11月下旬、大阪市内でガソリンを購入していたことが捜査関係者への取材でわかりました。現場から検出された油は鑑定の結果ガソリンだったこともわかり、警察は事前に準備していた疑いがあるとみて捜査を進めています。

今月17日、大阪 北区曽根崎新地のビルの4階にある心療内科のクリニックが放火された事件では24人が死亡し、警察は殺人と放火の疑いで捜査している男について住所・職業不詳の谷本盛雄容疑者(61)だと公表しています。

警察によりますと谷本容疑者は搬送された病院で重篤な状態になっているということです。

その後の調べで、容疑者が11月下旬、大阪 西淀川区内のガソリンスタンドでガソリンを購入していたことが捜査関係者への取材でわかりました。

このガソリンスタンドには、容疑者が本人確認のための書類を提示した履歴が残っていたということです。

またクリニックの出入り口付近で検出されていた油が鑑定の結果、ガソリンだったことも新たにわかりました。

現場の防犯カメラには、容疑者がみずから持ち込んだ可燃性の液体にライターで火をつけるような様子が写っているということで、警察は事前に準備していた疑いがあるとみて捜査を進めています。

容疑者の兄「しっかり向き合ってほしい」

谷本容疑者の兄が19日夜、大阪市内で報道陣の取材に応じ、容疑者とは30年以上疎遠になっているとしたうえで「容体が回復して今回の事態にしっかり向き合ってほしい」と話しました。

この中で兄は「今回、亡くなった方のご冥福と入院している方の早い回復をお祈りします」と話しました。

そして父親が死亡した30年余り前に会って以来、容疑者とはほとんど連絡を取っていないことを明らかにしました。

容疑者は4人きょうだいの3番目ですが、ほかのきょうだいとも交流がないということです。

兄は「酒が入ると少し気が短くなる面もあったが、昔はかわいい弟だったのでニュースを見た時はびっくりした。重篤な状態だということだが、容体が回復して今回の事態にしっかり向き合ってほしいと思う」と話していました。

クリニック通う女性も現場で祈り

3年前から現場のクリニックに通っている大阪 淀川区の40代の女性は院長の西澤弘太郎さんが亡くなったことをニュースで知って19日夜、母親と妹と3人で現場を訪れました。

感謝のことばをつづった手紙と花を供えたあと、手を震わせながら1分ほど祈りをささげていました。

女性はクリニックで治療中、病気が原因で仕事を1度辞めましたが、治療やリワークプログラムのかいもあって半年前、別の仕事を始めることができたということです。

女性は「先生にはどうか無事でいて欲しいと思っていましたが、亡くなったことが明らかになり、大きなショックで目の前が真っ白になりました。今の私があるのは先生のおかげなので、どうかゆっくり休まれて下さい」と涙ながらに話していました。

そのうえで「容疑者も重篤だと聞いていますが、命を取り留めて、なぜこんなことをしてしまったのか、真相を明らかにして罪を償ってほしい」と話していました。