香港 立法会議員選挙投票進む “親中派圧倒的多数”確実な情勢

香港の議会にあたる立法会議員選挙の投票が19日行われています。中国の習近平指導部が主導した選挙制度の変更によって、親中派が圧倒的多数を獲得するのは確実な情勢です。

中国主導の制度変更で市民の関心低く 投票率は過去最低か

香港の立法会議員選挙は、ことし3月に「愛国者による統治」を掲げる中国の習近平指導部が主導して選挙制度の変更が決められてから初めてで、90の定数に対し153人が立候補しています。

変更によって、市民の直接投票で決まるのは20議席に減り、残る70議席は中国との関係が深い業界の代表枠のほか、親中派がほぼ独占する「選挙委員」が選ぶ仕組みとなっています。

さらに民主派にとって、立候補する条件が厳しくなったため、民主派の政党はいずれも候補の擁立を断念しました。

中国政府は「制度の変更は民主派を排除するものではない」と繰り返し強調していますが、民主派や中間派を名乗る候補は10人余りにとどまり、親中派が圧倒的多数を獲得するのは確実な情勢です。

このため市民の関心も低く、投票率は過去最低となるとの見方が広がっています。

およそ630か所の投票所のうち、香港島中心部に設けられた投票所の周辺では、警戒にあたる警察官の姿が目立ちました。

また香港政府トップの林鄭月娥行政長官も午前中、投票所を訪れ、投票を呼びかけました。

投票は、日本時間の19日午後11時半まで行われ、結果は20日にも判明する見通しです。

新型コロナ感染防止理由に1年余延期 中国主導で選挙制度変更

香港の議会にあたる立法会議員の任期は4年。
本来は任期満了に伴って、去年9月に選挙が実施される予定でした。

しかし、香港政府は、新型コロナウイルスの感染防止を理由に1年余り延期し、この間に中国主導で選挙制度の大幅な変更が行われました。

変更の背景には、おととしの一連の抗議活動以降、香港の状況に危機感を抱いた習近平指導部が、反対勢力とみなす民主派の政治参加を封じ込めるねらいがあったとみられています。

変更後の選挙制度では、定数は70から90に増えましたが、市民が直接投票で選ぶことができるのは、35議席から20議席に減っています。

残る70議席のうち、30議席は「金融業」や「工業」「飲食業」といった業界ごとに割り当てられ、それぞれで代表を選びます。

このほかの40議席は、新たに1500人の選挙委員によって選ばれることになりました。

この選挙委員はもともと、政府トップの行政長官を選ぶ権限を持ち、中国の全人代=全国人民代表大会の香港代表のほか、業界や団体などから選ばれます。

ことし9月に行われた選挙の結果、現在、選挙委員に民主派の委員はいなくなり、親中派でほぼ占められています。

また今回から立法会議員選挙に立候補する際には、この選挙委員の推薦が必要となったため、民主派にとっては立候補そのものが難しくなっています。

立法会の選挙は、これまでも市民の投票で選ぶ議席は一部のみで、親中派に有利な制度で行われ、民主派は過半数の議席を獲得したことはありません。

香港の憲法にあたる基本法には「最終的に全議員を普通選挙で選出することを目標とする」と明記されていますが、今回の制度変更によって、さらに中国の意向が反映されやすくなっています。