サッカー天皇杯 浦和が3季ぶり優勝 槙野が終了間際に決勝点

サッカー日本一を決める天皇杯、全日本選手権の決勝が19日、国立競技場で行われ、浦和レッズが大分トリニータに2対1で勝ち、3シーズンぶりの優勝を果たしました。

観客数上限設けずに開催 会場には5万7785人

101回目を迎えた天皇杯の決勝は3シーズンぶりの優勝を目指すレッズと、J2への降格が決まっているものの初優勝を狙うトリニータが対戦しました。

レッズは立ち上がりから主導権を握ると、前半6分に江坂任選手が先制ゴールを奪って1対0とリードして折り返しました。

後半はトリニータが攻勢を強め、45分には下田北斗選手からの正確なボールをペレイラ選手がヘディングで合わせて同点に追いつきました。

それでもレッズはアディショナルタイムに今シーズンかぎりでチームを退団する途中出場の槙野智章選手が柴戸海選手からのボールを巧みに頭で合わせて勝ち越しました。
レッズはこのリードを守って2対1で競り勝ち、3シーズンぶりの天皇杯制覇を果たしました。

レッズの優勝は前身の三菱重工時代を含めて、8回目です。

一方のトリニータは九州のJリーグのチームとして初めての優勝を目指しましたが、届きませんでした。

決勝は準決勝に続いて観客数の上限を設けずに開催され、5万7785人が訪れました。サッカーの試合では新型コロナウイルスの感染拡大以降、これまでで最も多かった準決勝の試合を2万6000人以上上回り最多を更新しました

決勝ゴールの槙野「西川選手に『マキが最後にもっていけ』と」

決勝ゴールを決めた槙野智章選手は「同点に追いつかれた後、ゴールキーパーの西川選手に『マキが最後にもっていけ』と強く背中を押されて、ゴールを奪うことができた」と振り返りました。
そして「声が出せない中でも多くの人がスタジアムに来て後押ししてくれて力が出た。来シーズンは僕はいませんが若い選手を後押ししてほしい。ありがとうございました」と感謝の言葉を述べました。

また、今シーズンかぎりでチームを退団することが決まっていて「僕に残された時間とこのチームでやるべきことを頭にたたき込んでピッチに立った。お祭り男、エンターテイナーですからね。全部もっていきました」と目に涙を浮かべながら話していました。

浦和 ロドリゲス監督「奇跡が起こるのもサッカーの一部」

浦和レッズのリカルド・ロドリゲス監督は「すごく幸せに感じる。厳しい展開になったが、最後に点を取ることができた。奇跡が起こるのもサッカーの一部。皆さんの後押しがあってこの試合をものにできた」と話していました。

【試合詳細】

浦和レッズ スターティングメンバー

準決勝のセレッソ大阪戦からは1人変更 DFの宇賀神選手からMFの小泉選手に替わりました。槙野選手 宇賀神選手の2人はベンチスタートです。
【GK】
1西川 周作
【DF】
2酒井 宏樹/4岩波 拓也/15明本 考浩/28アクレクサンダー・ショルツ
【MF】
41関根 貴大/17伊藤 敦樹/29柴戸 海/18小泉 佳穂
【FW】
7キャスパー・ユンカー/33江坂 任
**SUB**
GK
12鈴木 彩艶
DF
3宇賀神 友弥/5槙野 智章/8西 大伍
MF
21大久保 智明/24汰木 康也/40平野 佑一

大分トリニータ スターティングメンバー

準決勝の川崎フロンターレ戦からメンバーに変更はありません。
【GK】
1高木 駿
【DF】
3三竿 雄斗/14エンリケ・トレヴィザン/15小出悠太
【MF】
6小林 裕紀/8町田 也真人/11下田 北斗/25小林 成豪/31ペレイラ
【FW】
13伊佐 耕平/16渡邉 新太
**SUB**
GK
22ポープ ウィリアム
DF
41刀根 亮輔
MF
7松本 怜/10 野村 直輝/17井上 健太/43弓場 将輝
FW
20長沢 駿

試合開始

午後2時すぎに浦和レッズのキックオフで試合が始まりました。
正面から見てピッチ右側が大分 左側が浦和です。

前半6分 浦和が先制 浦和1-0大分

浦和 江坂選手のゴールで浦和が先制。

右サイドからペナルティーエリアにドリブルで入った関根選手からマイナスのボールを受けた、ゴール正面にいたフリーの江坂選手がシュートを打ち、ゴールが決まりました。

前半21分 大分はこの試合初のシュート

大分は渡邉新太選手がペナルティーエリアの右手前側からシュートを打ちましたがキーパーに阻まれました。大分はこの試合初のシュートです。
浦和も前半13分以来シュートがなく、両チームとも中盤から前線にかけて攻めあぐねる展開が続いています。

アディショナルタイムは2分 そのまま前半終了

前半はこのまま終わり、後半に折り返しました。

手元の集計でシュート数はここまで浦和3本、大分1本です。

後半開始

午後3時すぎに大分トリニータのキックオフで後半が始まりました。
両チームともこの時点でのメンバー変更はありません。

後半開始早々に大分の町田選手がシュートを打ちましたが、相手ディフェンダーに阻まれ得点はなりませんでした。

後半17分 大分がチャンスも浦和GK西川が阻む

大分は両サイドバックが高い位置を取るようになり、攻撃の回数が増えてきました。下田選手からペナルティーエリア内に走り込んだ小林成豪選手へのスルーパスでチャンスを作りましたが相手GK西川選手に阻まれました。

後半25分 浦和ビッグチャンスも今度はGK高木が阻む

浦和はスルーパスから江坂選手が抜け出し1対1の場面を作りましたが、左に流れた後に打ったシュートは大分のゴールキーパーの高木選手に阻まれました。

後半27分 両チームともに選手交代 浦和は宇賀神投入

【浦和】
キャスパー・ユンカー選手に代わり今季かぎりで退団する宇賀神友弥選手が入りました。
【大分】
小林成豪選手に代わって野村直輝選手が入りました。

後半34分 大分はさらに2人投入

【大分】
伊佐耕平選手に替わり身長192cmのFW20長沢駿選手、
小出悠太選手に替わりMF7松本怜選手が入りました。

後半37分 大分 ペレイラに警告

後半37分大分トリニータのペレイラ選手にイエローカードが出されました。

後半38分 浦和は今季かぎりで退団の槙野など2人投入

後半38分、小泉佳穂選手に代わって槙野智章選手が入りました。槙野選手はキャプテンマークを西川選手から受け取り、腕に巻いてからピッチに入りました。
また関根貴大選手に代わって大久保智明選手が入りました。

試合終了間際 大分が同点に追いつく 浦和1-1大分

後半45分、大分トリニータは下田北斗選手のクロスボールをペレイラ選手が頭で押し込み、同点に追いつきました。

後半アディショナルタイムに浦和が勝ち越し 浦和2-1大分

浦和レッズは後半のアディショナルタイム(後半45+3分)に途中出場の槙野選手が柴戸海選手からのボールを頭で合わせ勝ち越しました。

1点を再び追いかけることになった大分はセンターバックの選手を前線に上げるパワープレーから1点を狙いますが、試合はこのまま終了し浦和の3シーズンぶりの天皇杯優勝が決まりました。

退団する槙野「このチームに残した最後の宿題達成できた」

レッズの守備の要として10年間プレーし、ムードメーカーとしてもチームの輪の中心にいた槙野選手。「契約満了と言われてからは3週間くらい整理がつかず、ほぼ毎日泣いていた」と明かしますが「チームの雰囲気作りを大切にしている。チームメイトにこんな姿は見せられない」と全体練習の後に居残りでシュートの練習を繰り返したといいます。

実は決勝ゴールにつながるボレーシュートを打った柴戸選手も一緒に居残り練習をした仲間で、槙野選手は「彼のシュートのクセはわかっていたのでいいポジションが取れた。日ごろ続けてきたことのご褒美がやってきたのかな」と笑顔を見せました。退団が決まってから槙野選手がチームに残したいと思っていたのがACL=アジアチャンピオンズリーグへの出場権でした。

決勝ゴールを決めて天皇杯を制しACLへの切符をもたらしたことで槙野選手は「自分がこのチームに残した最後の宿題を達成できたと思う。いいストーリーができたかなと思う」と満面の笑みを浮かべました。

西川選手は「有言実行でACLの切符を残してくれた。責任を背負って戦わないといけない」と話し、先制点をあげた江坂任選手も「強い気持ちを持った選手が試合を決めるんだと感じた。レッズはタイトルを取らないといけないクラブ。来季はJリーグで優勝したい」と話しました。槙野選手は最後の試合で大きな置き土産を残してチームを去りました。