オミクロン株 イギリスで急拡大 一日で1万人超の感染確認

イギリスでは新型コロナウイルスの変異ウイルス・オミクロン株による感染が首都ロンドンを中心に急速に拡大していて、1日で1万人を超える感染が確認されました。専門家は今後、入院が必要な患者が大幅に増えるという見方を示し、警戒が強まっています。

保健当局によりますと、イギリスでは18日、新型コロナウイルスの新規感染者が前日に続いて9万人を超えました。

このうち変異ウイルスのオミクロン株の感染者は1万59人と前日の3倍以上に増え、累計でおよそ2万5000人となりました。

特にロンドンでは新型コロナに感染した人の83%がオミクロン株によるとみられています。

ロンドンのあるイングランドではこれまでにオミクロン株に感染した7人が死亡し、疑いのある症例も含めると85人が入院しているということです。

ロンドンのカーン市長は「オミクロン株による感染の急拡大を非常に懸念している」としたうえで、感染して業務に携われない医療従事者も増えていると危機感を示しました。

政府に助言を行う専門家の委員会は入院が必要な患者が今後2週間ほどで大幅に増えるという見方を示し、屋内でのマスク着用の義務化などに加え、さらに厳しい対策をとらなければ医療がひっ迫する可能性があると指摘しています。

政府はワクチンの追加接種を急いでいますが、感染の急拡大に難しい対応を迫られています。

オランダ 営業制限など厳しい規制導入

オランダ政府はオミクロン株の感染拡大への懸念から、クリスマスを控えた今月19日から急きょ小売店や飲食店の営業制限など厳しい規制を導入することを決めました。

スーパーや薬局などを除くほとんどの小売店や飲食店では店内での営業が禁止されるとともに、自宅に招くことができる人数は原則2人までとなり、クリスマスや大みそかなどは例外として4人まで認められます。こうした規制は1月14日まで行われます。

ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターによりますと、今月16日時点でオランダで報告されているオミクロン株の感染者は123人ですが、政府は感染が急速に拡大し、年明けには医療機関がひっ迫する可能性が高まっているとして規制導入への理解を求めています。