岸田首相 ワクチン「3回目接種」前倒し方針を表明 新型コロナ

新型コロナワクチンの3回目の接種をめぐって、岸田総理大臣は記者団に対し、2回目との間隔を原則8か月から6か月に短縮する対象を、医療従事者などに拡大するとともに、一般の高齢者は来年2月以降接種間隔を7か月に短縮する方針を明らかにしました。

この中で岸田総理大臣は、「オミクロン株の情報や、デルタ株感染の拡大に関する主要国の状況に鑑み、わが国としては、緊急にとっている水際措置に加え、3本柱を内容とする、予防、検査、早期治療の包括強化策を講じることとする。これによって医療提供体制がひっ迫しないように全力を尽くしていく」と述べました。

そのうえで、「1つ目の柱はワクチン接種の前倒しだ。きのう承認されたモデルナ社のワクチンを活用し、専門家の意見も聴いたうえで医療従事者と高齢者、およそ3100万人を対象に前倒しをする」と述べました。

そして、医療従事者や重症化リスクの高い高齢者施設の入所者などについて、接種間隔を原則8か月から2か月前倒しして6か月に短縮するとともに、来年2月以降、そのほかの一般の高齢者については、接種間隔を7か月に短縮する方針を明らかにしました。

また岸田総理大臣は、2つめの柱は新型コロナの飲み薬だとして、「『オミクロン株』にも極めて効果が高いという発表があった治療薬の提供を年内に開始する。メルク社の『モルヌピラビル』については、すでに160万回分を確保している」と強調しました。

そのうえで、「ファイザー社の経口薬については、きょうブーラCEOと私が直接電話会談を行い、200万回分の確保で基本合意することができた。納入時期を含めた最終合意に向けて引き続き、厚生労働大臣を中心に交渉を続けていく」と述べました。

さらに、3つめの柱として検査体制の強化を挙げ、飲食、イベント、帰省など、人との接触機会が増える年末年始に向けて、ワクチン接種を受けられない人を対象に、予約不要の無料検査をすべての都道府県で年内に開始できるよう準備を進めていることを明らかにしました。