オミクロン株 沖縄 米軍基地に勤める50代日本人男性 感染確認

沖縄県は、本島北部にあるアメリカ海兵隊基地、キャンプハンセンに勤める基地従業員の日本人の男性が、新型コロナの新たな変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが確認されたと発表しました。
キャンプハンセンでは、これとは別に最近アメリカ本国から派遣された海兵隊員99人の新型コロナの感染が確認されていて、県はゲノム解析を行うようアメリカ側に要請しています。

沖縄県の玉城知事は17日午後6時すぎから緊急の記者会見を開きました。

それによりますとオミクロン株の感染が確認されたのは、キャンプハンセンに勤める基地従業員の50代の日本人男性で、海外への渡航歴はなく、症状はこれまでのところ重症ではないということです。

12月15日に新型コロナの感染が確定し、その後、沖縄県衛生環境研究所でゲノム解析を行い、国立感染症研究所にデータを確認してもらい確定したということです。

沖縄県内でオミクロン株が確認されたのはこれが初めてです。

沖縄県は、男性の家族や職場の同僚など濃厚接触者についても検体を分析しています。

キャンプハンセンでは、これとは別に、最近アメリカ本国から派遣された海兵隊員99人の新型コロナの感染が確認されていて、沖縄県がゲノム解析を行うよう要請しています。

沖縄県はキャンプハンセンの日本人基地従業員600人余りを対象にしたPCR検査を、18日と19日実施することにしています。

「隊員は基地外の地域住民と接触なし」

これについてアメリカ海兵隊は報道機関向けに発表を行い「部隊配置計画の一環でキャンプハンセンに到着した複数の隊員から新型コロナのの陽性者が確認された。これらの隊員は基地の外の地域住民との接触は一切なく、現在、隔離下にあり、感染拡大を防止するため積極的な検査、濃厚接触者の追跡、隔離措置を実施している。また感染拡大を防止するためキャンプハンセンの警戒態勢を引き上げた」としています。

キャンプハンセンの感染者については、アメリカ軍が沖縄県に対し、15日から16日にかけて合わせて14人の感染が確認されたと連絡していました。

地元からは不安の声

17日午後4時すぎ、アメリカ海兵隊基地のキャンプハンセンのゲート前では、アメリカ軍関係者が乗っている「Yナンバー」の車両が頻繁に出はいりする様子や、基地から街に歩いて行く兵士の姿が見られました。

一方、地元の人たちからは、キャンプハンセンからオミクロン株の感染者が出たことについて不安の声が聞かれました。

基地の近くでバーを営む30代の女性は「怖いです。店を営業するか家族と相談しますが、お店をやらないと収入が減ってしまうので困っています」と話していました。

基地内で働いているという50代の男性は「感染対策を徹底するように言われていますが、感染者が出たという話は聞いていないので不安です」と話していました。

厚労省幹部「市中感染にはあたらない」

厚生労働省の幹部は、今回、オミクロン株への感染が確認されたキャンプハンセンに勤める基地従業員の男性について「現時点では、基地内で起きているクラスターの一環で、感染経路が分からない、いわゆる『市中感染』にはあたらないと見ている」としています。