米CDC専門家委員会「コロナ予防にはmRNAワクチンが望ましい」

アメリカCDC=疾病対策センターの専門家委員会は16日、新型コロナウイルスの感染症の予防には、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンよりファイザーやモデルナのいわゆる「mRNAワクチン」が望ましいとする勧告を出しました。

CDCは16日、外部の専門家の委員会を開き、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンについてこれまでに得られた効果と安全性のデータを検証しました。

このワクチンはアメリカで1700万回以上接種されていますが、接種後まれに脳などの血管が詰まる血栓症が起き、CDCは、これまでに54人が報告され、9人が死亡したとしています。

血栓症の報告が最も多いのは30歳から49歳の女性で、接種100万回当たり10人程度の頻度だということです。

CDCは、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンが重症化や死亡を防ぐ効果について、リスクを上回るとしつつも、ファイザーやモデルナのいわゆる「mRNAワクチン」よりは低いとしています。

これらのデータを検討した専門家の委員会は「新型コロナウイルスの感染症の予防には、『mRNAワクチン』が望ましい」とする勧告を出しました。

CDCはファイザーやモデルナのワクチンが手に入りにくい地域の人などは、引き続き接種してもよいとしています。

ジョンソン・エンド・ジョンソン「依然 重要な選択肢」

ジョンソン・エンド・ジョンソンは16日、CDCの専門家委員会の勧告を受けて、「このワクチンは強い抗体と細胞性免疫、長期にわたる免疫記憶、それに変異ウイルス全体にわたる幅広い防御をもたらすことが裏付けられている」とする声明を発表しました。

そのうえで、mRNAワクチンの接種を避けている人などに対し「依然として重要な選択肢となっている」としたうえで、今後、血栓症への対処方法などについて啓発に取り組むとしています。