“生乳大量廃棄”の懸念 金子農相が乳製品の消費拡大呼びかけ

牛乳などの原料となる生乳がかつてない規模で余り、大量に廃棄される懸念が出ていることから、農林水産省は消費を促すキャンペーンを強化することになり、金子農林水産大臣らがみずから乳製品などを飲んで消費拡大を呼びかけました。

ホテルや土産物向けをはじめとする牛乳や乳製品の需要が新型コロナウイルスの影響で減少したことなどから、原料の生乳がかつてない規模で余っていて、農林水産省によりますと、学校給食での牛乳の消費が落ち込むこの年末年始にはおよそ5000トンの生乳が廃棄される懸念が出ています。

このため農林水産省は、コロナ禍を受けて去年から進めている消費を促すキャンペーンを一段と強化することを決め、金子農林水産大臣と2人の副大臣は17日、閣議の前に行われた記者会見で牛乳や乳製品を飲んで取り組みをアピールしました。

農林水産省はキャンペーン強化策として、牛乳を使った和食のレシピを紹介するなど、新たな需要の掘り起こしを図るほか、SNSを通じて幅広く消費を呼びかけることにしていて、金子大臣は「牛乳をいつもよりいっぱい飲み料理に乳製品を活用するなど協力をお願いしたい」と述べました。

一方、農林水産物や食品の輸出額がことし初めて1兆円を超えることになったことについて、金子大臣は、今後、生産者と輸出業者らが共同で団体を設立することなどを通じ、2030年までの輸出額5兆円の目標達成に向けて引き続き取り組みを進めていく考えを示しました。