神奈川県 年内にも高齢者施設の3回目ワクチン接種始める方針

新たな変異ウイルス「オミクロン株」の対策として、神奈川県は高齢者施設への3回目のワクチン接種を前倒し、年内にも始める方針を明らかにしました。

オミクロン株は感染力が非常に強く、国内でも空港の検疫などで海外から入国した人の感染が相次いで確認されています。

神奈川県は16日夜、感染症対策協議会を開きオミクロン株の感染拡大に備えた対策を協議しました。

この中で県のコロナ対策を指揮する医師の阿南英明統括官は「高齢者は重症化する割合が高く、3回目の接種を進める必要がある」と述べ、当初の予定では来年2月ごろだった高齢者施設の3回目のワクチン接種を前倒し、年内にも始める方針を明らかにしました。

対象は県内の10万人以上に上るとみられ、県は残っている在庫のワクチンを使って準備ができたところから接種を進めていく方針です。

また、オミクロン株に感染したり、感染の疑いがある人の濃厚接触者が16日、県内で新たに187人確認されたことを受けて、県は「これ以上宿泊療養施設で受け入れを続けるのは難しい」として自宅でも待機できるようにすることや、保健所の負担を減らすために2日に1回行っているPCR検査の頻度を減らすことなどを国に働きかけることにしています。

黒岩知事は「オミクロン株はまだはっきりした正体もわからないが、水際対策で時間を稼いでいる間に楽観せずに対策を進めることが重要だ」と話していました。