米 ノババックス コロナワクチンの承認を厚労省に申請

アメリカのバイオ企業、ノババックスは、新型コロナウイルスワクチンの承認を求める申請を厚生労働省に行いました。
承認された場合、ワクチンは3回目の接種などに使用される予定です。

ノババックスは16日、国内での流通を手がける武田薬品工業を通じて、厚生労働省に新型コロナウイルスワクチンの承認を求める申請を行いました。

このワクチンは、これまでに国内で使われているものと異なり「組換えたんぱくワクチン」と呼ばれるタイプのワクチンで、ノババックスによりますと、海外の治験では発症を予防する効果は、およそ90%確認されたということです。

また、国内で20歳以上の日本人200人を対象に行った治験で、重篤な症状は見られなかったということです。

管理の温度は2度から8度で、通常の冷蔵庫で保存が可能とされています。

ノババックスのワクチンは承認された場合、日本国内に来年、1億5000万回分が供給される契約になっていて、今後、山口県の工場で生産され、3回目の接種などに使用される予定です。

国内では、これまでにファイザー、モデルナ、アストラゼネカの3社のワクチンが承認されていて、申請段階にあるのはアメリカの製薬大手、ジョンソン・エンド・ジョンソンに続いて2社目です。

ノババックスが申請したワクチンとは

今回、ノババックスが申請した新型コロナウイルスワクチンは、「組換えたんぱくワクチン」という種類です。

これまで、国内で使われてきたファイザーやモデルナの「mRNAワクチン」とアストラゼネカの「ウイルスベクターワクチン」は、いずれも遺伝子を使ったワクチンでした。

一方、「組換えたんぱくワクチン」は、ウイルスの表面にある突起で、抗体が攻撃する際の目印となる「スパイクたんぱく質」だけを人工的に作り出し、接種するもので、この技術を使ったワクチンは、すでに「帯状ほう疹」などで実用化されています。

12月15日にノババックスやアメリカの大学などのグループが医学雑誌「ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表したこのワクチンの詳細なデータによりますと、アメリカなどでおよそ3万人を対象に行われた臨床試験で、発症を予防する効果が90.4%、中等症から重症を防ぐ効果は100%だったということです。