オミクロン株 自宅待機中の20代女性1人感染確認 東京都が発表

東京都は、海外から帰国して自宅待機中だった20代の女性1人が16日、オミクロン株に感染していることが確認されたと発表しました。この女性の濃厚接触者1人も新型コロナの感染が確認されていて、オミクロン株かどうか都が解析を進めています。

都によりますと、オミクロン株に感染していることが確認されたのは都内に住む20代の女性です。

この女性は今月8日にアメリカから成田空港に到着し、入国時の検疫での検査では陰性だったということです。

検疫では、一定期間自宅で待機することやほかの人と接触しないことなどを盛り込んだ誓約書を提出することになっていて、女性は自宅で待機していた帰国翌日の9日に発熱の症状が出たということです。

その後、今月13日に新型コロナの感染が判明し、都の健康安全研究センターでゲノム解析を行った結果、16日、オミクロン株の感染が確認されたということです。

都は、この女性と同じ航空機に乗っていた乗客が濃厚接触者にあたるとして現在、確認を進めています。
一方、この女性が帰国した今月8日とその翌日の9日に会っていた都内に住む20代の男性1人が濃厚接触者にあたるということです。

都によりますと、男性は15日、新型コロナの感染が確認され、現在オミクロン株かどうか解析を進めているということです。

この男性の家族3人と職場の同僚7人のあわせて10人が濃厚接触者にあたるということです。

また男性は、今月12日に川崎市の等々力陸上競技場で行われたサッカー天皇杯の準決勝の試合を見に行っていたということで、都は近くで観戦していたおよそ80人の観客に地元の保健所を通じて連絡をとり、検査を受けるよう呼びかけています。

東京都 小池知事「何としてでも抑え込んでいく」

東京都の小池知事は、記者団に対し「水際対策を徹底することが、新しい変異株を抑えることに、直接つながってくるので、国やほかの自治体とも連携しながら、何としてでも抑え込んでいきたい。濃厚接触者などはしっかりと検査していく」と述べました。

そのうえで「指定された国以外から入国する場合は、すぐ自宅に帰ることができるが、実際に感染者が出てしまっている。国として、検疫の考え方をより確実にしてもらいたい。また、自宅に戻った方は、次の濃厚接触者を作ってしまうかもしれないことも念頭に行動してもらいたい」と述べました。

松野官房長官「市中感染が発生したものとは考えていない」

松野官房長官は午後の記者会見で「現在までのところ、日本で確認された『オミクロン株』の感染者は基本的に水際で把握し、適切な措置につなげられていると考えている。今回確認された感染者は14日間の自宅待機の間に陽性が確認され、濃厚接触者の特定がされており、いわゆる市中感染が発生したものとは考えていない」と述べました。

そのうえで、濃厚接触者1人が今月12日に川崎市の等々力陸上競技場でサッカー天皇杯を観戦したことが確認されているとして「感染管理を徹底する観点から、当日スタジアムにいた人で体調がすぐれない人は、できるだけ外出を避け医療機関を受診いただくようお願いする」と呼びかけました。

周辺にいた人に検査呼びかけ

オミクロン株の感染者の濃厚接触者の男性が川崎市の等々力陸上競技場で今月12日に行われた、サッカー天皇杯の準決勝の試合を観戦していたことを受けて、市は周辺にいた人たちに連絡し、検査を受けるよう呼びかけることにしています。

対象者はおよそ80人だということで、住んでいる場所に応じて地元の保健所から電話などで連絡するということです。

日本サッカー協会「天皇杯決勝に向けもう一度周知徹底」

アメリカから帰国した都内の20代の女性がオミクロン株に感染したことが確認され、その濃厚接触者に当たる20代の男性1人が今月12日に川崎市の等々力競技場で行われたサッカー天皇杯の準決勝を見に行っていたと東京都が発表したことについて、日本サッカー協会は「試合の観戦後に濃厚接触者に認定されたと聞いている。プライバシーのこともありプロセスなどは聞かされていない」としています。

天皇杯の準決勝2試合は、Jリーグのチームどうしの試合としては新型コロナウイルスの感染拡大後、初めて観客数の上限を設けずに開催され、このうち等々力競技場には1万7595人が訪れました。

協会は今月19日に東京 国立競技場で行われる天皇杯の決勝でも観客数の上限を設けずに行うと発表していて「この方針をベースにしながら東京都と検討していく」としています。

また、ホームページで、14日以内に入国制限がある国や地域に渡航したり、その国や地域に住む人と濃厚接触があったりした場合は来場を見合わせるよう呼びかけていて「決勝に向けてもう一度、周知徹底したい」としています。