米 国務長官 タイ訪問を急きょ中止 新型コロナ感染拡大の影響

東南アジアを訪れているアメリカのブリンケン国務長官は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、最後の訪問国、タイへの訪問を急きょ、中止しました。

アメリカ国務省の発表によりますと、東南アジアを訪問中のブリンケン国務長官は、15日からタイの首都バンコクを訪れ、ドン外相などと会談する予定でしたが、急きょ中止しました。

理由について「新型コロナウイルスの感染拡大を防止し、訪問団の健康と安全を優先したため」と説明しています。

これについて、タイ政府の関係者はNHKの取材に対し「ブリンケン長官の同行記者団の1人が新型コロナウイルスに感染したためだ」と話しています。

アメリカのバイデン政権は中国に対抗するため、東南アジア各国との関係強化を図っていて、ブリンケン長官は今月13日から16日の日程で、政権発足後初めて、インドネシアとマレーシア、タイの3か国を訪問し、15日からは最後の訪問国タイを訪れる予定でした。

アメリカとタイの2国間関係をめぐっては、2014年に当時のオバマ政権がタイの軍によるクーデターを批判したことを受けて、距離が生じていて、タイの専門家は「関係改善の機会が遠のいた」と分析しています。