オミクロン株 新たに15人の感染確認 国内32人に

今月7日から12日にかけて日本に入国した男女15人が、新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」に感染していることが新たに確認されました。これで国内でオミクロン株への感染が確認されたのは32人となりました。

濃厚接触者 約1100人

厚生労働省によりますと、オミクロン株への感染が確認されたのは、今月7日から12日にかけて羽田空港と成田空港、それに関西空港から入国した20代から70代の男女合わせて15人です。

ドイツやイギリス、アメリカなどに滞在歴があり、空港の検疫や待機中の宿泊施設での検査で陽性反応が出ていたということです。

3人がせきやのどの痛みを訴えていて、5人は症状がなく、残る7人は確認中だということです。

また、11人はワクチンを2回接種していて、1人は接種しておらず、3人が確認中だとしています。

厚生労働省は、同じ飛行機に乗っていた合わせておよそ1100人の乗客全員を濃厚接触者とみなし、入国後14日間は宿泊施設での待機を求めることにしています。

これで国内でオミクロン株への感染が確認されたのは32人となりました。
厚生労働省によりますと、新たにオミクロン株への感染が確認されたのは次の15人です。

▼今月7日
▽羽田空港に到着したドイツやスイス、それにイギリスに滞在歴がある30代の男性

▼8日
▽成田空港に到着したアラブ首長国連邦に滞在歴がある50代の女性
▽レソトに滞在歴がある50代の男性

▼9日
▽成田空港に到着したアメリカに滞在歴がある50代の女性

▼10日
▽成田空港に到着したアメリカに滞在歴がある20代の男性
▽羽田空港に到着したアメリカに滞在歴がある20代の女性
▽イギリスに滞在歴がある30代の女性

▼11日
▽関西空港に到着したイギリスに滞在歴がある40代の女性
▽羽田空港に到着したイギリスに滞在歴がある40代の男性
▽アメリカに滞在歴がある30代の男性
▽成田空港に到着したアメリカに滞在歴がある20代の女性
▽タンザニアに滞在歴がある50代の女性

▼12日
▽成田空港に到着したジンバブエに滞在歴がある60代の男性
▽羽田空港に到着したイギリスに滞在歴がある70代の女性
▽コンゴ民主共和国に滞在歴がある40代の男性

磯崎官房副長官「新規感染者に検査行い 早期探知に全力」

磯崎官房副長官は午後の記者会見で「国内の感染対策として、すべての国内新規感染者に『オミクロン株』の検査を行うことで早期探知に全力を尽くしたい。引き続き、強い危機感を持ち、状況の把握に努めるとともに、各国や地域の感染状況を踏まえ、機動的かつスピード感をもって必要な対応を行っていきたい」と述べました。

そのうえで「今後、忘年会やクリスマス、お正月休みなど恒例行事によって社会経済活動の一層の活発化が想定される。足元の国内の感染状況は落ち着いてきているが、ワクチンの2回接種が済んだ方を含め、マスクの正しい着用、手指の消毒、換気といった基本的な感染対策を引き続き徹底していただきたい。発熱などの症状がある場合には県をまたぐ移動は控えるなど、感染リスクを下げる取り組みにご協力をお願いしたい」と呼びかけました。

日本医師会「WHOは楽観論に警鐘」

日本医師会の中川会長は、記者会見で「症状は比較的軽いケースが多いとの情報や、重症化リスクはそれほど高くないとの指摘もあるが、WHO=世界保健機関は、仮に重症化率が低くても感染者数が多ければ医療をひっ迫させてしまうと、楽観論に警鐘を鳴らしている」と述べました。

そのうえで「オミクロン株の評価については、他の株の感染による免疫の獲得、治療薬やワクチンの普及などの状況から、他の株とそのまま比較することはできず、さらなる検証と慎重な判断が必要だ」と指摘しました。