オミクロン株 2回接種の場合“入院防ぐ効果70%” 南アで分析

南アフリカの医療保険会社は14日、変異ウイルスのオミクロン株を中心とした流行に対し、ファイザーなどが開発したワクチンの2回接種による入院を防ぐ効果は、70%だったとする分析結果を発表しました。一方で、感染を防ぐ効果については30%余りにとどまっていたとしています。

南アフリカの医療保険会社「ディスカバリー・ヘルス」は14日、新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの効果についておよそ21万人を対象にした分析結果を発表しました。

それによりますと、先月15日から今月7日までのオミクロン株を中心とした流行でのデータとデルタ株が流行した際のデータをそれぞれ調べたところ、ファイザーなどが開発したワクチンを2回接種した場合のウイルスの感染予防効果は、デルタ株中心の流行では80%だったのに対し、オミクロン株の場合は、33%に低下していました。

一方で、入院を防ぐ効果はデルタ株中心の流行で93%、オミクロン株の場合でも70%を維持していたということです。

南アフリカでは、オミクロン株の前にも感染が広がりワクチン以外で免疫を獲得していることが影響している可能性も考えられるということで、分析した医療保険会社の責任者は初期段階の分析だとしたうえで「ワクチンの入院を防ぐ効果はまだとてもよい水準を保っていると評価できる。オミクロン株の感染者は急速に増加しているとみられるが、入院の増加は以前の流行と比べゆるやかで、重症化のリスクは低い可能性を示している」と話しています。