コロナ禍で虐待や性暴力が深刻化 女性への支援充実を国に要望

コロナ禍で女性への虐待や性暴力が深刻化しているなどとして、支援グループが、心のケアや自立支援の充実を国に要望しました。

要望を行ったのは、大学の研究者や女性支援のNPOなどでつくるグループで、15日、佐藤厚生労働副大臣に要望書を提出しました。

要望書では虐待や性暴力、困窮などさまざまな問題が重なって心に傷を負う女性が増える中で、都道府県などの保護施設では、支援できる体制が十分に整っていないとして、心理療法に対応できる専門職の配置を増やすよう求めています。

また、保護施設にいる女性の自立を後押しするために、国が支給している月額およそ6万円の生活費を増額することや、女性を支援する民間団体の活動や人材育成を国が強化することなども求めています。

虐待などを受けた女性については、昭和31年に成立した「売春防止法」に基づいて支援が行われていますが、心のケアや自立支援が明文化されておらず、十分ではないとして有志の国会議員のグループが、新しい法律の制定を目指しています。

要望を行ったグループの会長を務める、お茶の水女子大学の戒能民江名誉教授は「コロナ禍で女性たちの苦境が顕在化する中で、必要な人に支援が届かない現状をなんとかしなければならない。来年早期に新法の成立が実現するよう社会にも関心をもってもらいたい」と話していました。