英 アフリカの11か国から入国認める方針 “入国制限効果低く”

イギリスでは、新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株の市中での感染が広がっていて、政府は水際対策として続けている特定の国からの入国の制限は効果が低くなっているとして、アフリカの11か国からの入国を認める方針を明らかにしました。入国前後の検査については続けるとしています。

イギリス政府は先月下旬、オミクロン株が確認されたことを受けて南アフリカなどアフリカの11か国からは基本的に入国を禁止し、在住者については入国後に政府指定のホテルでの隔離を義務づける措置をとっています。

ジャビド保健相は14日、議会で「イギリスではオミクロン株の市中感染が広がり、世界にも感染が拡大している。一部の国を対象に入国を規制しても、国外からのオミクロン株の流入を抑える対策としては効果が低くなっている」と述べ、15日から11か国からの入国を認めると明らかにしました。

ホテルでの隔離は必要なくなりますが、そのほかの国からの入国者と同様、入国前後の検査については義務づけるとしています。

一方、イギリスでは新型コロナウイルスの一日当たりの新たな感染者が5万9000人を超え、ことし1月上旬以降で最も多くなりました。

これまでにオミクロン株への感染が確認された人は5000人を超えていますが、イギリス政府はオミクロン株の感染力は強く実際の感染者はこれをはるかに上回るとみていて、追加接種など対応を急いでいます。

WHO事務局長「一律の渡航制限 感染対策の助けにはならない」

イギリスがアフリカの11か国に対する入国制限の措置を緩和する方針を明らかにしたことについて、WHO=世界保健機関のテドロス事務局長は14日の記者会見で支持する考えを示したうえで「一律の渡航制限は感染対策の助けにはならない」と述べました。

WHOは先月、オミクロン株の感染対策のため複数の国がアフリカ南部などからの入国制限を強化したことを受けて、一律の渡航制限を行っても世界的な感染拡大を防ぐことはできず、逆に人道支援のための派遣ができなくなるなど人々の命や暮らしを脅かすことにつながるとして否定的な見方を示していました。