コロナワクチン普及 アフリカの出遅れに強い懸念 WHO

新型コロナウイルスのワクチンの普及をめぐって、先進国などに比べてアフリカが出遅れていることについて、WHO=世界保健機関は、現状では人口の70%の接種が終わるのは3年後の2024年までずれ込むとの見通しを明らかにし、強い懸念を示しました。

WHOアフリカ地域事務局のモエティ事務局長は14日の記者会見で、新型コロナウイルスのワクチンの普及がアフリカで出遅れていることについて「現状のペースのままでは、人口の70%の接種を終えることができるのは2024年8月までずれ込む見通しだ」と述べ強い懸念を示し、改めて先進国などに対してアフリカへのワクチンの提供を急ぐよう求めました。

その一方で、一部で接種しきれずに廃棄されるワクチンが出ていることについて、モエティ事務局長は「全体から見ればごくわずかだが、およそ20か国で合わせて91万回分が有効期限切れとなった」などと述べ、背景には供給されるワクチンに有効期限が短いものが含まれていることや、行政の態勢が不十分なことなどが課題になっていると指摘しました。

また、南アフリカのようにワクチンの供給量は足りているものの一部の国民の間で根強い不信感があるために接種率が低い現状もあることについては、各国でワクチンに対する正確な知識を広めるための活動に一層力を入れるよう促しました。