「胎児治療」で重い心臓病の手術に成功 国内初

病気の胎児を母親のおなかの中にいる間に治療する「胎児治療」と呼ばれる技術で、重い心臓病が見つかった胎児を手術することに国内で初めて成功したと国立成育医療研究センターなどのグループが発表しました。

「胎児治療」は、胎児に命の危険があるような重い病気が見つかった際に、生まれる前に治療を行う新しい医療技術です。

国立成育医療研究センターなどのグループによりますと、ことし7月、心臓の血管の入り口が狭くなり心臓の一部が発育しなくなる「重症大動脈弁狭窄症」という病気が見つかった妊娠25週の胎児に対し、母親のおなかの外から針のような特殊な管を胎児の心臓に差し込み、狭くなった血管の中でバルーンと呼ばれる器具を膨らませる手術を行ったということです。

その結果、血管が広がって心臓に流れる血液の量が増えたということで、胎児はことし10月に無事に生まれ、経過も良好だということです。

今回の手術は「胎児治療」の臨床研究の一環として行われたもので、グループによりますと、国内で「重症大動脈弁狭窄症」の「胎児治療」が行われたのは初めてだということです。

国立成育医療研究センターの左合治彦医師は「胎児のうちに治療できる病気は少しずつ増えている。胎児治療によって救える命を増やせるよう、臨床研究を積み重ねていきたい」と話しています。