都内 自宅療養者医療支援 夜間土日に対応できた地区は半分以下

東京都医師会は、新型コロナウイルスの第5波で急増した自宅療養者への医療支援について検証したところ、ほとんどの地区で日中の対応はできた一方、夜間や土日の対応ができた地区は半分以下だったことが分かりました。都心の診療所では、医師が離れた自宅から通勤しているケースが多く、夜間などの対応が難しかった課題がみえてきました。

東京都医師会は、第5波での自宅療養者への医療支援について検証しようと、54の地区医師会にアンケート調査を行いました。

その結果、自宅療養者への電話診療は50の地区医師会で行われ、往診は45の地区が行ったということです。
一方、時間帯によって課題がみられました。

日中の時間帯、自宅療養者への電話診療や往診など対応ができたのは50の地区医師会に上りましたが、午後7時以降の夜間に対応ができたのは16の地区、土日祝日は21の地区にとどまりました。

夜間や土日祝日の対応が難しかった課題がみえてきました。
都心のビルに診療所が多い中央区などの地区医師会からは、医師が離れた場所にある自宅から都心の診療所に通勤しているケースが多く、夜間や休日は「事実上、無医村になっている」という声が聞かれました。

また「感染拡大の前から在宅医療の体制を構築していたか」という質問に対し、およそ半分にあたる28の地区が「構築していなかった」と答えていて、急ピッチで自宅療養者への対応が進められたことがうかがえます。

都の医師会は、第6波に向けて、訪問看護ステーションや地域を越えて患者を往診する医師グループとの連携など、体制を強化したいとしています。
東京都医師会の西田伸一理事は「都心では、医師は職住の分離で住まいとクリニックが別々になっていて、夜間の対応は容易ではない。往診専門の事業者と連携を組むなど、自宅療養せざるをえない人にどう医療を提供していくのか、第5波の経験を踏まえて備えたい」と話していました。