3回目の職域接種の申請受け付け始まる 前倒しはしない方針

新型コロナウイルスワクチンの3回目の、職域接種の申請が13日から始まりました。

3回目の接種は、今月から医療従事者を対象に始まり、12日までに全国で合わせて5万2737回行われています。

来年3月からは職域接種でも3回目を行う方針で、厚生労働省は13日から実施の申請の受け付けを始めました。

1回目の接種では初日の申請件数が730件だったのに対し、13日は午後5時までにおよそ800件の申請があったということです。

職域接種では、2回目までと同様にモデルナのワクチンを接種する予定で、年内に使用を承認したうえで、早ければ来年2月下旬から配送を始めることにしています。

厚生労働省は、市区町村が行う接種については、2回目から原則8か月以上あととしている時期を、できるだけ前倒しする考えを示していますが、職域接種では対象者に高齢者などの重症化リスクが高い人が少ないとして、前倒しをしない方針です。

また、接種人数は、会場ごとに原則1000人以上としていますが、企業や大学からは「3回目の接種を希望しない人が出てくることも予想され、人数を確保できる見通しが立たない」という声も聞かれていて、1000人を大幅に下回らないかぎりは、申請を受け付ける方向で検討するということです。

職域接種をめぐっては、ことし6月に接種が始まったものの、ワクチンの供給が追いつかず、申請の受け付けを休止する事態になりましたが、厚生労働省は、3回目の接種に必要なワクチンは十分確保できる見込みだとしています。

3回目の職域接種 航空会社が申請

新型コロナウイルスワクチンの3回目の職域接種について申請の受け付けが13日から始まり、航空会社が申請を行いました。

このうち全日空は、これまで職域接種を羽田や大阪など各地の空港で実施し、グループ全体の社員やその家族などを対象に、延べ7万回の接種を行いました。

全日空は、3回目についても職域接種を行うことを決め、13日、羽田空港の担当者が、オンライン上で申請を行いました。

担当者は、申請フォームに表示された会場の住所や接種を担当する産業医の情報などにこれまでと変更がないことを確認したうえで申し込んでいました。

全日空は、3回目もこれまでと同様、国際線に乗務するパイロットや客室乗務員などから接種を進める計画です。

全日空労政部の佐々木洋平マネジャーは「航空需要が戻っていくのに合わせて安心して搭乗してもらえる環境作りは大切だと考えている。万全な接種の準備を進めたい」と話していました。

3回目の職域接種について、航空業界では日本航空も実施を決めているほか、羽田空港や成田空港の運営会社が実施の検討を進めています。

3回目の職域接種 首都圏の大手鉄道各社 半数余が「実施を予定」

新型コロナウイルスワクチンの3回目の職域接種について、首都圏にある大手鉄道各社に取材したところ、半数余りが実施を予定していると答えています。

NHKが首都圏に本社を置くJR東日本と大手私鉄の合わせて10社に3回目の職域接種の予定について尋ねたところ、6社が「実施を予定している」と回答しました。

このうち、東急電鉄は「来年4月にスタートしたい」としたほか、西武鉄道は「来年4月から5月に実施する予定」と答えました。

ただ、いずれの会社も対象の人数や開始時期などの詳細は「精査中」としています。

「実施を予定している」と回答した6社を除いた4社については、「実施を検討している」と回答しています。

広島大学 学生に意向調査など準備進める

新型コロナウイルスの3回目のワクチン接種について来年3月に予定されている「職域接種」を申請した広島大学は学生に意向調査を行うなど準備を進めることにしています。

広島大学はことし6月下旬からキャンパスで学生と教職員を対象にした職域接種を始め、8月上旬にはおよそ2万人が2回の接種を終えました。

大学は2回目の接種から8か月となる来年3月下旬から3回目の職域接種を始めたい考えで、13日、厚生労働省に申請しました。

大学は2回目の接種を終えた時期に合わせて3月下旬から4月上旬、4月中旬、そして5月下旬の3回に分けて職域接種を行う予定で、学生たちに接種を希望するかどうか意向調査を行うなど準備を進めることにしています。

また、3月に卒業する卒業生についても希望する場合は大学で接種を行う方向で検討するということです。

理学部2年生の女子学生は「入学してからオンライン授業が多く不便だった。対面での授業を続けるためにもぜひ3回目の接種を受けたい」と話していました。

文学部3年生の女子学生は「2回目の際の副反応がひどく大変だった。接種の時期が就職活動とも重なるので受けるかどうかはまわりの友達の様子を見て決めたい」と話していました。

広島大学の俵幸嗣理事は「新しい変異株も確認され、学生や教職員には積極的に接種してもらいたい。卒業予定の学生や新入生にも丁寧に聞き取りを行いたい」と話していました。