鵜をかごに入れて運ぶ「鵜様道中」始まる 石川 気多大社

水鳥の鵜の動きを見て来年の運勢を占う、石川県羽咋市の気多大社の神事「鵜祭」に向け、鵜をかごに入れて運ぶ「鵜様道中(うさまどうちゅう)」が始まりました。

鵜は今月9日に七尾市鵜浦町の海岸で生け捕りにされ、その時から「鵜様」と呼ばれる神様として扱われます。

12日午前6時半ごろ、「鵜捕部(うとりべ)」と呼ばれる白装束の男性3人が鵜を入れたかごを背負い、七尾市を出発しました。

鵜捕部たちが「うっとりべー」と掛け声をあげながら歩くと、沿道には地域の人たちが出てきて鵜様に向かって手を合わせ、新年の平穏を祈っていました。

おととしと去年は鵜を捕獲することができず、「鵜様道中」が行われるのは3年ぶりで、鵜捕部たちは3日かけて気多大社までのおよそ40キロの道のりを歩き、今月16日の未明に行われる「鵜祭」に鵜を奉納します。

「鵜祭」は国の重要無形民俗文化財に指定されていて、神前に放たれた鵜の動きを神職が見て来年の運勢を占います。

鵜捕部を務める岩崎巌さん(88)は「ことしは鵜が捕獲されて鵜様道中を始めることができてよかったです。鵜様を無事に神社まで送り届けます」と話していました。