アスベスト被害救済で格差が 学者らが制度見直し提言

アスベストで健康被害を受けた人を救済する国の制度について、学者や医師などでつくる研究会は「救済をめぐる格差が生じている」として、労災と同じ程度の金額を給付するよう、制度の見直しを求める提言をまとめました。

提言は、全国の学者や医師、弁護士などでつくる「石綿被害救済制度研究会」が12日、東京都内で発表しました。

アスベストで健康被害を受けた人には、労災保険に基づく給付金のほか、労災の対象にならない個人で仕事を請け負う人や主婦などにも、医療費の一部と月額10万円の療養手当などを給付する救済制度が設けられています。

研究会は、今の制度の給付額が労災に比べて少ないうえ、認定基準が厳しく、対象にならない被害者も多く「救済をめぐる格差が生じている」と指摘しています。

また、建設現場でのアスベスト被害をめぐり、新しい給付金の制度が創設されると、建設業かどうかでさらに格差が浮き彫りになるとしています。

研究会は、認定基準を改めより多くの人を救済の対象とするほか、労災と同じ程度の金額を払うよう制度の見直しを求めています。

提言をまとめた立命館大学の吉村良一名誉教授は「格差や隙間をなくすよう、国の制度全体の見直しも必要だ」と話していました。

救済制度をめぐっては、環境省も、患者や専門家から意見を聞くなどして見直しに向けた検討を始めることにしています。