沖縄戦伝える自然洞窟 崩落で閉鎖続く 保存や整備望む声

太平洋戦争末期の沖縄戦の悲惨さを伝える平和学習に活用され、年間およそ2万人が訪れていた沖縄県糸満市の自然洞窟で崩落が確認されたため、閉鎖された状態が続いています。
関係者からは保存や整備を望む声が上がっています。

崩落が確認されたのは、沖縄戦の激戦地、糸満市の真栄里地区にある「マチドーヌティラ」と呼ばれる自然洞窟です。

沖縄県にはガマと呼ばれる自然洞窟が多くあり、戦時中は住民の避難場所などとして使われていました。

「マチドーヌティラ」は当時、けがをした兵士を看護する場所として使われ、アメリカ軍の攻撃で、看護要員として動員されていた「白梅学徒隊」の女子学徒6人が亡くなりました。

戦後は平和学習の場所として活用され、新型コロナウイルスの感染拡大前は年間2万人前後が訪れていましたが、入り口の周辺部分が崩れて危険なため、11月中旬からは閉鎖された状態となっていて、平和学習の関係者などからは保存や整備を望む声が上がっています。

元白梅学徒隊の中山きくさん(93)は「大切な場所で平和学習に使い続けてほしいです。私たちの力では整備は難しいので、沖縄県や糸満市にも思いを伝えてみたいです」と話しています。

専門家「全県的な調査を」

沖縄の戦跡に詳しい沖縄国際大学の元教授の吉浜忍さん(72)は「今後、こうしたケースがさらに増えるおそれがあり、まずは、全県的にガマの調査を行い、現状を把握する必要がある」と指摘しました。

その上で「ガマは県民にとって歴史を知るための貴重な遺産だと思うので、県が主体となって調査を行い、どう保存していくか管理に携わる人たちや地権者と一緒になって考えていくべきだ」と話しています。