都内 “ブレイクスルー感染”の割合 高齢者で半数以上に

東京都内の新型コロナウイルスの新規陽性者のうち、ワクチンを2回接種した人でも感染するいわゆる「ブレイクスルー感染」の割合が、高齢者で半数以上にのぼっています。

都の専門家は、接種後も感染する可能性があることを認識してほしいとする一方、重症化の防止などに有効だとして、積極的に3回目の接種を検討するよう呼びかけています。

また、都は、これから年末年始を迎え、会食などの機会が増えるとして、マスクの着用や手洗い、それに換気など、日々の感染対策を徹底するよう繰り返し呼びかけています。

東京都が、ことし6月から10月にかけて都内で新たに感染が確認された人のワクチンの接種状況を分析した結果、2回の接種を終えている人が感染するいわゆる「ブレイクスルー感染」の割合が増えています。

割合の増加は特に、65歳以上の高齢者で顕著です。

65歳以上では、
▽ことし6月が3.2%
▽7月が20.7%
▽8月が39.8%
▽9月が48.9%
▽10月が58.7%でした。

月が進むにつれて増加していて、都内の高齢者のワクチン接種率が8割を超えた8月以降も増えています。

都の専門家は、接種から期間がたって抗体が減少したことなども影響しているとみているということです。

また、12歳から64歳までの人も「ブレイクスルー感染」の割合が徐々に高まっています。

▽ことし6月に0.2%だったのが、
▽7月は1.1%
▽8月は3.7%
▽9月は9.2%
▽10月になると23.8%まで上昇しました。

都の専門家は「ブレイクスルー感染」の特徴について、接種していない人に比べ、発熱などの症状が現れにくい傾向を挙げています。

さらに、ことし7月から11月にかけて、感染して療養している人に聞いた都のアンケート調査では、「ブレイクスルー感染」した人のうち、症状がない人の割合がおよそ15%にのぼったということです。

一方、都内で2回接種を終えた65歳以上の人の中で、ことし10月の1か月間に「ブレイクスルー感染」した人の割合は、0.005%でした。

接種していない人の割合に比べると6分の1で、専門家は、ワクチンに感染を予防する効果があることがうかがえる結果だとしています。

都の専門家は、
▽ワクチン接種後も感染し、他人にうつす可能性があると認識してもらいたいとする一方で、
▽感染を予防し、重症化を防ぐためには有効だとして、3回目のワクチンの接種を積極的に検討するよう呼びかけています。

また、都は、これから年末年始を迎え、会食などの機会が増えるとして、マスクの着用や手洗い、それに換気など、日々の感染対策を徹底するよう繰り返し呼びかけています。

小池知事「ぜひ接種を受けて」

東京都の小池知事は、記者会見で「きのうのモニタリング会議でも報告があったが、ワクチンを2回接種しても感染してしまうケースがある。今月から追加の3回目の接種が始まっている。接種を引き続きお願いしたい。まだ受けておらず希望する方は、ぜひ接種を受けていただきたい」と述べました。