オミクロン株“重症化 入院リスクはデルタ株より低い傾向”WHO

新型コロナウイルスのオミクロン株についてWHO=世界保健機関は、南アフリカでの初期のデータからは重症化や入院のリスクはデルタ株より低い傾向が見られるとしたうえで今後2、3週間かけて慎重に分析を進める考えを示しました。

WHOアフリカ地域事務局の9日の記者会見で、ワクチン担当の責任者のミヒゴ氏はオミクロン株について「南アフリカでの初期のデータを見るかぎり重症化をあまりもたらしていない」と述べました。

そして集中治療室で入院するケースがデルタ株の感染が広がったことし7月ごろに比べて少ないとして、南アフリカではオミクロン株による重症化や入院のリスクはデルタ株よりも低い傾向が見られると指摘しました。

ただミヒゴ氏は「オミクロン株の影響を解明するには今後、少なくとも2、3週間必要だ」とも述べ、引き続き慎重に分析を進めるとしています。

またミヒゴ氏はアフリカでのワクチン接種の遅れに強い懸念を示したうえで「アフリカ各国の政府は届いたワクチンを行き渡らせるために全力で取り組まなければならない」と述べ、接種の計画づくりやワクチンへの不信感をなくすための情報提供などの支援を続ける考えを強調しました。

世界55の国と地域で確認

NHKが10日午前3時時点でまとめたところ、新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染は日本を含め世界の55の国と地域で確認されています。

▽アジアは日本のほか香港、韓国、インド、シンガポール、マレーシア、スリランカ、タイ、モルディブ、ネパール
▽オセアニアはオーストラリア、フィジー
▽北米はアメリカ、カナダ
▽中南米はメキシコ、ブラジル、チリ、アルゼンチン
▽ヨーロッパはイギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、デンマーク、チェコ、オーストリア、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、スペイン、ポルトガル、スイス、アイルランド、ギリシャ、アイスランド、ルーマニア、ロシア、クロアチア、エストニア、ラトビア
それに
▽中東のイスラエル、サウジアラビア、UAE=アラブ首長国連邦、クウェート
▽アフリカの南アフリカ、ボツワナ、ナイジェリア、ガーナ、ジンバブエ、チュニジア、ザンビア、ウガンダ、セネガル、ナミビアで
それぞれ感染が確認されています。