新型コロナ “血小板の塊の数で重症化予測も” 研究結果発表

新型コロナウイルスに感染した患者の血液中に現れる、ごく小さな血小板の塊の数を測ることで、重症化するかどうか予測できる可能性があるとする研究結果を、東京大学などのグループが発表しました。

この研究は東京大学大学院理学系研究科の合田圭介教授らのグループが、科学雑誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に発表しました。

新型コロナで重症化する患者では、血液が固まる血栓ができることが知られていて、研究グループは、東京大学医学部附属病院に入院した患者110人について、血栓ができる際に見られる、ごく小さな血小板の塊の数と患者の症状との関係を調べました。

その結果、この物質の数は患者の症状に関わらず、発症から3日から4日ほどは同じ程度でしたが、重症患者では5日目以降、急に増え、発症から1週間で健康な人の10倍となり、その後、3週間にわたって多い状態が続きました。

また、中等症の患者では数が徐々に増え、発症からおよそ2週間後に健康な人の5倍ほどに達し、その後減った一方、軽症患者では増加の幅は小さくとどまっていました。
グループでは早い段階でこの物質の数を測ることで、患者が重症化するかどうかの予測に、また、治療を行ったあとで測ることで、効果の判定につながる可能性があるとしています。

合田教授は「重症化予測や死亡率の低減につながるといった可能性が広がる。国内外の病院でデータを集め、貢献したい」と話しています。