オミクロン株“個室隔離できる医療体制を”都モニタリング会議

東京都内の新型コロナウイルスの感染状況と、医療提供体制を分析・評価するモニタリング会議で、専門家は新たな変異ウイルス、オミクロン株の動向を注視するとともに、感染が確認された患者を個室で隔離できる入院医療体制の確保が必要だと指摘しました。

9日の都のモニタリング会議で、専門家は都内の感染状況と医療提供体制についていずれも最も低い警戒レベルを維持しました。

このうち感染状況は、8日までの新規陽性者の7日間平均が15.6人と、8週連続で50人を下回っていることなどが報告され、専門家は「感染者数が一定程度に収まっていると思われる」と評価しました。

また、医療提供体制は、入院患者の減少傾向が続き100人以下となっていて「通常の医療との両立が安定的に可能な状況である」と評価しました。

一方、専門家は新たな変異ウイルス、オミクロン株の感染が国内で確認されていることを受けて「今後の動向を注視する必要がある」と指摘しました。

また、オミクロン株にかかわらず今後の感染拡大に備えて、ワクチン接種は重症化の予防効果と死亡率の低下が期待されているなどとして、接種の促進を呼びかけました。

そして「年末年始に向け、会食の機会が増えることが予想される。マスクを外したまま長時間、大人数で会話することは感染リスクが高まり、新たな感染拡大のきっかけになる可能性がある」として、注意を呼びかけました。

さらに、新たな変異ウイルスの感染が確認された患者を個室で隔離できる入院医療体制の確保が必要だと指摘しました

濃厚接触者は都内に136人 全員陰性

モニタリング会議では、海外から日本に入国してオミクロン株の感染が確認された4人と同じ航空機に乗っていた濃厚接触者は都内に合わせて136人いることが報告されました。

136人全員、8日までの検査で、陰性が確認されているということです。

都によりますと、136人全員と連絡がとれているということで、都内の宿泊療養施設へ入るようお願いするとともに、個人の事情などで自宅で待機する人も含めて2日に1回のPCR検査を行うなど健康観察を続けています。

小池知事「市中での監視体制強化を」

会議のあと、小池知事は記者団に対し「オミクロン株の感染拡大を防ぐためには、市中での監視体制を強化することも肝要だ」と指摘し、都独自のオミクロン株を判別できるPCR検査の手法を、近隣の県に加えて関西の自治体とも共有していく考えを示しました。

そのうえで「オミクロン株は、感染力が高い可能性があると疑われている。感染拡大を防ぐため、あらゆる場所における基本的な対策の徹底という原点に戻ることが重要になってくる」と述べ、マスクの着用や手洗い、それにキッチンのレンジフードなども活用したこまめな換気など、対策の徹底を重ねて呼びかけました。

ブレイクスルー感染 都内で増加

9日のモニタリング会議で、新規陽性者のうちワクチンを2回接種した人でも感染するいわゆる「ブレイクスルー感染」の割合が都内で増えていることが報告されました。

このうち65歳以上ではことし10月の新規陽性者のうち半数以上が「ブレイクスルー感染」だったということです。

モニタリング会議では、ことし6月から10月にかけて都内で新たに感染が確認された人のワクチンの接種状況を分析した結果が報告されました。

それによりますと、2回の接種を終えている人が感染するいわゆる「ブレイクスルー感染」の割合が増えているということです。

特に、65歳以上の高齢者で顕著にみられ、ことし6月に確認された「ブレイクスルー感染」はその月の65歳以上の新規陽性者の3.2%でしたが、ことし10月は58.7%まで増加しているということです。

専門家は「ブレイクスルー感染」の特徴として、接種していない人に比べて発熱などの症状が現れにくいことを挙げました。

都が、ことし7月から11月にかけて感染して療養している人に聞いたアンケート調査では、「ブレイクスルー感染」をした人のうち症状がない人の割合がおよそ15%にのぼったということです。

都の「専門家ボード」の座長で、東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、「無症状であっても通常の感染と同様に家族や周囲などに感染を広げてしまう可能性を認識することが重要だ」と述べました。

そのうえで、感染を予防し、重症化を防ぐためにも3回目のワクチンの接種の検討を呼びかけたほか、マスクの着用や手洗い、換気など日々の感染対策を徹底するよう注意を呼びかけました。