五輪「外交的ボイコット」相次ぐ イギリスとカナダも 中国反発

来年開かれる北京オリンピックについて、イギリスとカナダも政府関係者を派遣しないことを明らかにしました。「外交的ボイコット」の表明が相次いでいることに対し中国は「オリンピック憲章にあるスポーツの政治的中立という原則に著しく反するものだ」などと強く反発しています。

イギリスのジョンソン首相は8日、議会下院で発言し、来年の北京オリンピックに閣僚や政府関係者を派遣しないことを明らかにしたうえで「事実上の外交的ボイコットになるだろう」と述べました。

また、カナダのトルドー首相も同じ8日、来年の北京オリンピックとパラリンピックに政府関係者を派遣しない考えを表明しました。

両国の首相は中国の人権問題への懸念を示しています。

「外交的ボイコット」はアメリカに続いてすでにオーストラリアも表明しています。

いずれの国も、選手団については予定どおり派遣するということです。

「外交的ボイコット」の表明が相次いでいることに対し、中国は「オリンピック憲章にあるスポーツの政治的中立という原則に著しく反するものだ」などと強く反発しています。

さらにアメリカに対しては、具体的な内容は明らかにしていないものの対抗措置をとる考えを示しています。

中国外務省「駆け引きは支持得られず」

中国外務省の汪文斌報道官は9日の記者会見で、「中国は、それらの国を招待しておらず、政府関係者が来ようが来まいが同じことで、大会の成功を見ることになるだろう」と述べました。

そのうえで、「アメリカ、オーストラリア、イギリス、カナダは、オリンピックを政治的な駆け引きに利用しているが、支持を得ることはできない。みずから孤立し、必ずや間違った行動の代償を払うことになる」と述べました。

一方、日本の対応について問われたのに対し、汪報道官は「中国は、東京オリンピックの開催を全力で支持してきた。今度は日本が信義を示す番だと考えている」と述べました。

木原官房副長官「どう対応するかしっかり判断」

木原官房副長官は、記者会見で「日本政府の対応は、今後、適切な時期に諸般の事情を総合的に勘案し、みずから判断する」と述べました。

また、記者団が「日本政府として外交的ボイコットの効果をどのように分析しているか」と質問したのに対し「各国それぞれの対応についてコメントする立場にない。われわれがどう対応するか、これからしっかり判断させていただく」と述べました。

磯崎官房副長官「要人出席はIOCなどが承認」

磯崎官房副長官は、記者会見で、アメリカなどが政府関係者を派遣しないと表明し中国が「招待していない」と反発していることに関連し「オリンピック、パラリンピックへの要人の出席は、参加する国や地域のオリンピック委員会及びパラリンピック委員会が申請しそれをIOC=国際オリンピック委員会、IPC=国際パラリンピック委員会が認証するという仕組みになっている」と述べました。

そのうえで「北京オリンピックの日本政府の対応は、これまでも述べてきたとおり、今後、適切な時期に諸般の事情を総合的に勘案してみずから判断する」と述べました。

自民 安倍元首相「日本の意思示す時 近づいている」

自民党の安倍元総理大臣は、安倍派の会合で「オリンピックは平和の祭典であり、アスリートにとっても夢の舞台で、それをしっかり支援していくという立場に変わりはない。しかし、ウイグルで起きている人権状況について、政治的なメッセージを出すことが、わが国には求められている。日本の意思を示す時は、近づいているのではないか」と述べました。