前澤友作さん乗せた宇宙船がドッキング 日本民間人初ISS滞在へ

実業家の前澤友作さんなど日本の民間人2人を乗せたロシアの宇宙船が、日本時間の8日午後10時すぎ国際宇宙ステーションにドッキングしました。
国際宇宙ステーションに日本の民間人が滞在するのは初めてで、およそ12日間の宇宙旅行を行う予定です。

実業家の前澤友作さんと、関連会社の役員を務める平野陽三さんの2人は8日、ロシア人宇宙飛行士とともにロシアの宇宙船「ソユーズ」に搭乗しました。

ソユーズを搭載したロケットには、「日の丸」などがあしらわれ、日本時間の午後4時半すぎにカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられました。
そして、宇宙船は日本時間の午後10時40分ごろに国際宇宙ステーションにドッキングしました。

前澤さんたちは、日本の民間人としては初めて国際宇宙ステーションに滞在し、およそ12日間の宇宙旅行を行う予定です。

日本人の宇宙飛行は、民放のテレビ局の社員だった秋山豊寛さんが初めて行い、その後、毛利衛さんなどが続いていて、これで宇宙に行った日本人は合わせて14人になりました。

前澤さんは宇宙に滞在中に一般から募集した実験などを行ってインターネットで配信したいとしていて、日本時間の今月20日に地球に戻る予定です。

搭乗した3人は

宇宙船「ソユーズ」には実業家の前澤友作さんと、関連会社の役員の平野陽三さん、それに操縦士を務めるロシア人宇宙飛行士の合わせて3人が搭乗しました。
前澤さんは千葉県生まれの46歳。

国内最大級のファッション通販サイトを運営するZOZOを設立し、おととしまで社長を務めていました。

平野陽三さんは愛媛県生まれの36歳です。

ZOZOの元社員で、現在は前澤さんの関連会社の役員を務めています。

今回の宇宙飛行では、前澤さんの地上での訓練や国際宇宙ステーションでの滞在中の様子を撮影する予定です。

操縦士を務めるロシア人宇宙飛行士のアレクサンダー・ミシュルキンさんは44歳で、軍人出身で今回が3回目の宇宙飛行です。
前澤さんは、アメリカの民間企業スペースXが2023年に打ち上げを予定している開発中の有人宇宙船「スターシップ」で、メンバー8人を募集して一緒に月を周回する計画も発表しています。

ことしは“宇宙旅行時代の幕開け”

ことしは民間人による宇宙飛行が相次いでいて、宇宙旅行時代の幕開けとなる年だと呼ばれています。

ことし宇宙に打ち上げられた民間人は世界で20人いたのに対して、国の宇宙飛行士は18人とすでに民間人が上回り、前澤さんら2人を加えると民間人は22人になりました。

宇宙旅行が本格化する背景には、民間企業の宇宙船が次々とつくられていることがあります。

日本人宇宙飛行士の野口聡一さんや星出彰彦さんが搭乗した有人宇宙船「クルードラゴン」はアメリカの民間企業「スペースX」の宇宙船で、アメリカの宇宙飛行士を宇宙ステーションに運ぶ業務を請け負っています。
この宇宙船を使ってことし9月に、民間人だけが搭乗して地球を周回する宇宙旅行が世界で初めて行われています。

このほか、アメリカの民間企業「ブルーオリジン」や「ヴァージン・ギャラクティック」も宇宙船を開発し、ことし相次いで宇宙旅行を行いました。

こうした動きに伴って、宇宙ステーションを旅行者に利用してもらう制度も整い、前澤さんのように宇宙ステーションに滞在する宇宙旅行が行われるようになっています。

前澤さんの宇宙旅行では、1人当たり数十億円の費用がかかっていると言われていて、誰でも気軽に行ける状況ではありませんが、競争原理と技術革新によって費用は安くなると期待されています。

専門家は「海外旅行は、かつて特別な人しか行けなかったが、今では誰でも行けるようになっていて、宇宙旅行もこうした段階をたどっていくと考えられる」と現状を分析しています。

これまで日本では12人が宇宙飛行

これまで日本では、国が認定した11人の宇宙飛行士と1人の民間人の合わせて12人が宇宙飛行を行いました。

日本人として初めて宇宙飛行を行ったのは民放のテレビ局の記者だった秋山豊寛さんで、31年前の1990年に旧ソ連の宇宙船に搭乗しました。

そして1992年に宇宙飛行士の毛利衛さんが初めてアメリカのスペースシャトルに搭乗するなど、国の宇宙飛行士合わせて11人が宇宙に行きました。

前澤さんら2人が宇宙飛行を行ったことで、宇宙に行った日本人は合わせて14人になりました。

秋山さん「どんな『気付き』を持って戻るかが重要」

民放のテレビ局の社員だった時に日本人として初めて宇宙飛行を行った秋山豊寛さんは、前澤さんらの宇宙旅行について、宇宙での体験を帰還後の行動につなげることが重要だと語っています。

秋山さんは民放のテレビ局の社員だった31年前、現在のロシアの宇宙船に搭乗し、日本人では初めて宇宙飛行を行いました。
秋山さんは当時の宇宙飛行を「宇宙から見る地球は本当にきれいだった。星空や宇宙の闇などの自然からメッセージを感じ地球に戻ったあと、どう生きていくべきかを考えさせられた」と振り返り、その体験をもとに地球環境に配慮した暮らし方を実践したいと現在、三重県で農業を営んでいます。

今回、民間人である前澤さんが宇宙旅行することについて、1人当たり数十億円とされる費用を負担していることを踏まえ、単なる観光旅行であれば格差社会の象徴と見られかねないと指摘したうえで「宇宙に行くという経験の中から、どんな『気付き』を持って地球に戻るかが重要だ。宇宙に行くというのは貴重な機会で、地球に戻ったあとは『気付き』に基づく活動をしてほしい」と述べ、宇宙に行くだけでなく、宇宙での体験を帰還後の行動につなげることが重要だと語っています。