11月の融資残高 3か月ぶり減 業績堅調な大企業に返済の動き

銀行と信用金庫が企業や個人に融資した残高は、先月の1か月間の平均で577兆円余りと3か月ぶりに前の月より減少しました。
業績が堅調な大企業を中心に借り入れを返済する動きが進んでいるためですが、全体としては依然として高い水準が続いています。

日銀が発表した「貸出・預金動向」によりますと、全国の銀行と信用金庫が企業や個人に融資した残高は、先月1か月間の平均で577兆746億円となり、3か月ぶりに前の月より減少しました。

このうち、都市銀行などでは業績が堅調な大企業を中心に借り入れを返済する動きが進んでいることから、残高は前の月から減少しました。

一方、中小企業向けの貸し出しが多い地方銀行では残高が増加傾向となっていて、新型コロナウイルスの感染状況はいったん落ち着いているものの、中小企業向けの融資残高は高い水準が続いています。

日銀は、今後の見通しについて「足元の企業の資金需要は全体としては落ち着いていることから、当面、貸し出しの伸びも落ち着いた状態が続くだろう」と話しています。

一方、企業や個人による預金は、緊急事態宣言が解除されてからも個人の間で消費を控える動きが続いていることから、先月1か月間の平均で833兆5990億円と、3か月連続で増加しました。