“アビガン不適切処方”千葉の病院「コロナ患者増でやむなく」

千葉県いすみ市の病院で新型コロナの治療薬として国内では承認されていない「アビガン」が自宅療養者に処方されていた問題で、7日に病院が会見を開き「不適切な処方だったが、感染が拡大し入院できない患者が増える中、やむをえなかった」などと説明しました。

「いすみ医療センター」では「アビガン」についてコロナ患者への治療効果を検証するためとして国から入院患者に使用を限定することを条件に供給を受けていましたが、感染者が急増したことし8月から9月にかけて、対象外の自宅療養者90人あまりに処方していたことがわかっています。

「アビガン」は新型インフルエンザの治療薬で新型コロナの治療薬としては去年12月、承認が見送られ、当時は有効性を確認する試験が続けられていました。

病院は、7日に会見を開き伴俊明病院長が「不適切な処方で申し訳なかったが、感染が拡大する中、やむをえなかった」などと説明しました。

この中で病院側は「当時、感染の第5波を受け入院できない患者があふれる状態で、保健所やいすみ市と協議をした上で緊急避難的に判断した。患者にはリスクを事前に説明し同意を得ていた」としています。

病院によりますとこれまでに健康被害の報告はないということです。

この問題で厚生労働省は不適切な使用だとして病院に対しアビガンの供給を停止することを決めています。