マラリアの死者増加 コロナ感染拡大で医療機関ひっ迫影響 WHO

WHO=世界保健機関は、去年、世界でマラリアに感染して亡くなった人が、前の年より増加したと発表し、新型コロナウイルスの感染拡大の中で、診断や治療を受けられない人が増えたことが背景にあると指摘しています。

WHOは6日、蚊が媒介する感染症、マラリアに関する年次報告書を公表しました。

それによりますと、去年、マラリアに感染して亡くなった人はサハラ砂漠以南のアフリカ各国を中心に、前の年より6万9000人多い62万7000人だったと推計しています。

また、サハラ砂漠以南では亡くなった人の8割は5歳未満の子どもだったということです。

マラリアで亡くなる人は治療薬の開発などでこれまで減少傾向にありましたが、新型コロナウイルスの感染が広がる中、アフリカ各国などでも、去年以降医療機関がひっ迫し、ほかの病気の診断や治療に大きな影響が出ています。

WHOは、マラリアについても新型コロナの影響で対策が遅れ、多くの命が奪われていることから、予防接種や診断、治療に力を入れていくとして、アフリカなどの各国にも取り組みを続けるよう呼びかけています。